マウスピース矯正中の歯ぎしりは大丈夫?治療への影響や和らげる方法を知ろう

マウスピース矯正の基礎知識

「歯ぎしりするクセがあるとマウスピース矯正はできないの?もし矯正中に歯ぎしりをしたらどうなるんだろう…」

寝ている時の歯ぎしりは自分では気付けないもので、家族から指摘されてもどの程度なのか見当もつきません。

マウスピース矯正をしたいと思ってネットを検索してみると、「歯ぎしりでマウスピースが割れた」「マウスピース矯正は歯ぎしりの改善にも効く?」など、いろいろな声が目について、矯正できるかできないのかがわかりにくいですよね。

歯ぎしりする癖があってもマウスピース矯正は可能ですが、歯ぎしりの強さによってはマウスピースの破損や治療への影響があるのも事実。

でも、少しの歯ぎしりなら、矯正用のマウスピースが歯ぎしり用のナイトガードのように歯を守ることもあります。

この記事では、歯ぎしりとマウスピース矯正の関係や、歯ぎしりが矯正治療に与える影響を詳しく解説します。

また、治療中に歯ぎしりが起こしがちなトラブルや、睡眠中の歯ぎしり・日中の食いしばりを緩和させる対処法、歯ぎしり改善のマウスピースと歯列矯正用マウスピースの違いもご紹介。

歯ぎしりの癖があるけどマウスピース矯正をしてみたい!と思っている方は、ぜひ参考にしてください。

歯ぎしりする人もマウスピース矯正できる!

眠っているときにギリギリと音を立てて歯をこすり合わせる歯ぎしり。

歯並びを整えるための矯正装置(マウスピース)は眠っている間にも外せないため、「歯ぎしりのクセがあるとマウスピース矯正は無理そう…」と思う方も多いようです。

結論から言うと、歯ぎしりをしていてもマウスピース矯正は可能です。

少しの歯ぎしり程度ならマウスピースが壊れる心配はなく、むしろマウスピースがナイトガード(歯ぎしり等防止のための就寝時用マウスピース)のように作用して歯を守ることにもつながります。

一般的に、歯ぎしりは眠っている間だけと考えがちですが、実は起きている間にもしているタイプの歯ぎしりがあるのをご存知ですか?

歯ぎしりには次のような種類があります。

歯ぎしりの種類

  • グラインディング
    上下の歯を強くこすり合わせてギリギリと音が出る歯ぎしり。おもに睡眠中に起こる。
  • クレンチング
    上下の歯をぎゅっと強く噛み締めること。力をこめるときやストレスがあるときに起こり、音がしないため気づかないことが多い。
  • タッピング
    上下の歯をカチカチ噛み合わせること。寝ているあいだや無意識の癖で起こるが、前の2つと比べると起こりにくいとされる。

歯ぎしりは無意識のうちにしていることがほとんどなので、自分ではなかなか気づかず改善することが難しい癖です。

このため、マウスピース矯正できるとは言っても、歯ぎしりの症状が強い場合などには、歯ぎしり用のマウスピース(ナイトガード)を併用するようすすめられることもあります。

ただし、歯ぎしりが強すぎるとマウスピースが破損する恐れがある

※画像はキレイライン矯正のマウスピースです。

歯並びの矯正でも歯ぎしりでも「マウスピースなら同じでしょう?」と思うかもしれませんが、矯正歯科治療に用いるマウスピースは強い歯ぎしりの力に耐えられるようにはできていません。

矯正用のマウスピースは歯にフィットする薄い素材でできています。

周囲にも気づかれにくく会話をしやすいのが利点ですが、繊細なので歯ぎしりや食いしばるクセで割れたりヒビが入ったりする可能性があります。

人間が歯を食いしばる力(咬合力:こうごうりょく)は約70kgもあり、歯ぎしりでは100kgを超えるとも言われています。

少々の歯ぎしり程度なら心配はないのですが、就寝中には加減ができないため、マウスピースが破損する恐れがあります。

歯ぎしりでマウスピースが壊れたらどうする?

歯列矯正中にマウスピースが割れたり、ヒビが入ったりなど破損した場合は、すぐに通院中のクリニックへ連絡して相談してください。

歯科医師に状況を話せば、直ちに再製作が必要なのか、応急処置で事足りるのかなどの指示をもらえます。

壊れた部分が小さい場合なら、1ステージ前のマウスピースを装着するなどして次の診察を待って修理で対応できることも。しかし、破損が大きければ再製作になることもあります。

「プラスチックみたいだから接着剤でくっつけられそう」など、間違っても自分で修理しようとしてはいけません。

「次の診察まで外していてもいいかな?」と放置するのもNGです。

矯正治療が計画通りに進まなくなってしまいます。

歯ぎしり用マウスピースでも歯列矯正は可能?2つの違いは?

残念ながら、歯ぎしり用マウスピースで歯並びの矯正はできません。

歯ぎしり用マウスピースと歯列矯正用のマウスピース、歯を覆う点は同じですが両者はまったくの別物です。

矯正用のマウスピースは、近くで見ないとわからないほど薄いプラスチック製。

歯が咬み合う部分まで覆われている点は歯ぎしり用と同じですが、繊細で壊れやすい造りとなっています。

目指す歯並びに合わせて定期的にマウスピースを交換しながら歯並びを整えます。

歯ぎしり用のマウスピースはゴムやレジン(合成樹脂)製で厚みがあり、歯にかかる咬合圧を分散して歯のすり減りや顎への負担を軽減します。

歯ぎしり用は今の歯並びや顎が安定しやすい形に合わせて製作するため、歯並びを変えることはできません。

歯ぎしり・食いしばりがマウスピース矯正の治療に与えうる影響

歯ぎしりや食いしばりがあってもマウスピース矯正は可能ですが、強く噛み締めることから矯正治療への影響があるのも事実です。

ここでは、代表的な歯ぎしりの原因と、マウスピース矯正にどのような影響があるのかを説明していきます。

そもそも歯ぎしり・食いしばりはなぜ起こる?

歯ぎしりや食いしばりの原因として、

  1. ストレス
  2. 習慣
  3. 咬み合わせ

などが指摘され、浅い眠りのときに起こりやすい傾向ということもわかっています。

しかし、現在のところ医学的に確定的な原因は解明されておらず、同時に複数の原因が関与しているケースもあるようです。

原因①ストレス

歯ぎしりの原因として最有力なのがストレスです。

ストレスが筋肉を緊張させて肩こりを感じる方もいるでしょう。

同じように、口の周囲の筋肉にも張りやコリが生じ、無意識に歯ぎしりをしたり、歯を食いしばったりしているのです。

また、ストレス解消のために歯ぎしりなどを行っているとも言われています。

睡眠中は気付けないのでやめるのは難しいですが、起きているときなら意識的に歯ぎしりや食いしばりをしないように気を付けるといいでしょう。

原因②習慣化

普段の習慣が歯ぎしり・食いしばりの原因になっている場合もあります。

スポーツや重いものを持ち上げるなど、瞬間的に力を出すときに歯を食いしばりますよね。

日常的に歯を食いしばることが多いと習慣化し、睡眠中の歯ぎしり・食いしばりにつながる可能性があります。

また、飲酒や喫煙の習慣が歯ぎしりを誘発するとも言われています。

集中すると無意識に奥歯に力が入るクセがある方は、矯正中のマウスピースを噛み締めないように注意しましょう。

原因③咬み合わせ

上下の歯の咬み合わせの悪さが、歯ぎしり・食いしばりの原因になるとも言われます。

特定の歯だけが強く接触していたり、むし歯治療で施した詰め物や被せ物がぶつかってしまったりすることで、歯ぎしりを起こす可能性があります。

矯正治療中に一時的に咬み合わせが悪くなり、歯ぎしりや食いしばりが生じる場合もあります。

歯ぎしりが原因で起こりうるマウスピース矯正治療のトラブル

キレイライン矯正のマウスピース

※画像はキレイライン矯正のマウスピースです。

歯列矯正治療中の歯ぎしりは、マウスピースの破損につながるだけでなく、歯そのものや口腔内に悪影響を及ぼしてトラブルにつながることもあります。

どのようなケースがあるのか確認しましょう。

歯に強い痛みを感じる可能性がある

マウスピース矯正は、目指す歯並びに近づけるために、わずかな圧力をかけながら歯を動かしていきます。

このため、矯正治療中は歯や歯ぐきが敏感になっているので、違和感や痛みを感じることも。そ

んな状態で歯ぎしりにより大きな咬合力がかかると、強い痛みを感じる恐れがあります。

奥歯が圧下する可能性がある

マウスピース矯正は痛いのか

矯正用のマウスピースはごく薄い構造ですが、上下の歯に装着すると厚みを感じます。

たとえば約0.5mmのインビザラインのマウスピースでも上下を合わせれば1mmほどあるので、歯ぎしりや食いしばりなどで噛み締め続ければ奥歯が圧下(あっか)します。

圧下とは歯が根っこの方向へ沈み込むことで、マウスピースの厚みの分だけ奥歯が圧下すると、上下の歯が咬み合わなくなってしまう可能性があります。

歯の移動を妨げることで治療期間や結果への悪影響も

マウスピースで歯並びを整えるには、歯に対して横向きや前後方向に力をかけていきます。

一方、歯ぎしりや食いしばりは上下に押し合うため、横や前後にかけたい圧力がうまくかからず、計画したように歯が動いてくれないケースもあります。

スケジュール通りに歯が動かなければ治療期間が長引いたり、安定した治療効果を得られなかったりすることも考えられます。

マウスピース矯正中の歯ぎしり・食いしばりを和らげる対処法

キレイラン矯正のマウスピース

さまざまな原因が関与する歯ぎしりを完全に治療する方法はなく、歯や顎にかかる負担を抑える対策としてナイトガードを使用するのが主流です。

でも、歯列矯正を始めると睡眠中も矯正用のマウスピースを装着するため、「ナイトガードが使えずに困るのでは?」と考えている方も多いでしょう。

ここでは、マウスピース矯正中にできる歯ぎしり・食いしばりへの対処法をご紹介します。

対処法①ストレスを軽減する

ストレスの軽減は、歯ぎしり・食いしばりを和らげるためにもっとも有効な対処と考えられます。

抱えているストレスを解消するのがベストですが、それはなかなか難しいと思う方も多いですよね。

そんなときには、身体や脳をリラックスした状態に導く行動をとってみませんか?

仕事の合間に大きく深呼吸をしてみたり、ウォーキングの代わりに少しの移動なら階段を使ったりするのもいい方法です。日中身体を動かすと、睡眠の質の向上にもつながります。

栄養バランスを考えて3食きちんと食べる・夜の飲酒は控えるなどの食生活の改善も有効。

ストレスを軽減するホルモン生成に必要なビタミンやトリプトファンを多く含む大豆製品を積極的に摂取するのもおすすめです。

対処法②寝る前に優しくマッサージする

歯科矯正中の女性笑顔

歯ぎしり・食いしばりでコリやすい口周りの筋肉をマッサージしてほぐしましょう。

耳上からこめかみにかけての側頭筋・噛み締めるときに盛り上がる頬の咬筋をやさしく円を描くようにマッサージします。

話したり食べたりするときにも使う筋肉なので、日中の緊張を緩めることで歯ぎしり・食いしばりを抑えることが期待できます。

せっかくのマッサージ効果を生かせるように、寝るときの姿勢にも注意しましょう。

うつ伏せや横向きで寝ると歯や歯ぐきに圧力がかかりやすくなります。

低めの枕で仰向けに寝るのがいいでしょう。

対処法③日中の歯ぎしり・食いしばりを意識してやめる

日中の歯ぎしり・食いしばりには上下の歯を離すことを意識するのが有効です。

上下の歯が接触している必要があるのは、実はものを噛む・飲み込むときだけ。

歯と歯が接触していると無意識に噛み締めてしまうので、唇を閉じたまま歯を離すことを意識しましょう。

「気づいたらやめる」を習慣にすると、無意識下での歯ぎしり・食いしばりを抑えることにつながります。

また、頬杖も強く歯を噛み締めることにつながりやすいので、日中は意識してやめるようにするといいですね。

歯ぎしりの癖があっても矯正は可能!症状の度合いはクリニックで相談を

「歯ぎしりするからマウスピース矯正はできないのかな…」

そう思って諦めていた方も多いでしょう。

歯ぎしりをする癖があってもマウスピース矯正は可能です。

ただし、歯ぎしり・食いしばりの強さによっては、矯正中の痛みを感じやすかったり、奥歯が圧下したりする可能性もあります。

さらに、マウスピース矯正の治療期間や結果に影響を及ぼすケースがあるのも事実です。

歯ぎしりや食いしばりは根本的に治すことは難しいですが、日常生活の中で緩和させる方法があります。

ストレスを解消する方法を実践する・食いしばりに気づいたらやめるなど、ちょっとした行動を意識的にライフスタイルの中に取り入れてみましょう。

歯ぎしりや食いしばりの症状の程度によっては、マウスピース矯正が適さない場合もあります。

「自分の歯ぎしりの強さでマウスピース矯正できる?できない?」と不安に思っているなら、お近くのクリニックで初回検診を受けてみてください。

歯ぎしりや矯正治療ができるかできないかの悩みを解消して、理想の笑顔への第一歩を踏み出しましょう。

【DDデンタルクリニックのマウスピース矯正】

キレイライン矯正とインビザライン

DDデンタルクリニックグループでは、マウスピース矯正を各種取り扱っており、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。

DDデンタルクリニックグループでは、キレイライン矯正とインビザラインの初回無料検診を実施中です。

キレイライン・インビザラインの各予約完了画面で、LINE友だち登録をしていただくと、トーク画面で初回検診無料クーポンをお送りします。

初回検診のご来院時に受付でクーポンをご提示いただくと、初回検診料が無料となります。

※ 会計時にクーポンをご提示いただけなかった場合は、通常の初回検診料(インビザライン税込5,500円・キレイライン税込3,300円)が発生します。必ず受付でご提示いただきますようお願いいたします。

※ LINE友だち追加の有無に関わらず 『予約日の前日・当日のキャンセル』『無断キャンセル』は、キャンセル料(インビザライン税込5,500円・キレイライン税込3,300円)が発生します。

東京・神奈川・名古屋・大阪など主要都市に拠点があるDDデンタルクリニックの各医院についてははこちらの記事でくわしく紹介しています!

※本記事は2023年9月時点での公式情報を元に編集したものです。最新の情報とは異なる可能性がありますので、ご注意ください。

関連記事一覧