インビザラインの装着時間は22時間が必須?守れないと起こりうるリスクや対処法などを紹介
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「インビザラインに興味があるけど、22時間もつけていないといけないの?決められた装着時間を守れなかったらどうなるんだろう…」
インビザラインは目立ちにくいマウスピースを装着して歯並びを整える歯列矯正。
自分で取り外しができるので、食事も歯みがきもいつもどおりにできるのが魅力です。
しかし「22時間も装着し続ける自信がない」「ネットで検索してもまちまちだし、実際は何時間つけていればいいの?」と不安や疑問を抱えていませんか?
インビザラインの装着時間は、歯科医院によって20〜22時間と差はありますが、歯科医師の指示どおりの時間をしっかり守るのが大前提。
装着時間を守れないと計画通りに歯が動かなかったり、治療が長引いて無駄な時間や費用がかかったりすることもあるのです。
この記事では、インビザラインの装着時間が22時間必要な理由や、22時間以下になった場合に起こりうるリスクを詳しく説明します。
また、装着時間が不足してしまった時の対処法や、時間を守りやすくする4つのポイントもご紹介。
インビザライン矯正中の方や現在インビザラインを検討している方も、時間にまつわるモヤモヤをすっきり解消して治療に臨みましょう。
なぜインビザラインは20~22時間も装着する必要があるの?
インビザラインだけに限らず、マウスピース矯正では、1日のうち17〜22時間マウスピースを装着する必要があります。
歯に直接ブラケットなどを取り付けるワイヤー矯正の場合、装置を取り外せないため24時間継続して歯に矯正力がかかった状態です。
一方、インビザラインでは歯を動かすためにアライナーで矯正力をかけるので、外している間は歯に力がかかりません。
自分で取り外しができて食事や口腔ケアをしやすいのがインビザラインのメリットですが、装着時間をしっかり守らなければ想定した位置まで歯が動かず、治療が計画どおりに進まなくなるのです。
「装着時間が長すぎる」と感じるかもしれませんが、スケジュールどおりに理想の口元に近づくためには20〜22時間の装着時間が必要です。
インビザラインの装着時間が足りないと起こりうるリスク
20〜22時間マウスピースを装着する必要性を知ると「時間を守れなかったらどうなるの?」と心配になりますね。
まずは、インビザラインの装着時間が足りない場合に起こりうるリスクを確認しましょう。
起こりうるリスク
- 想定どおり歯が動かず治療計画にズレが生じる
- マウスピースが合わなくなり、作り直しが必要になる場合も
- 動いていた歯が後戻りしてしまう
- 歯に強い力がかかり、歯の根っこが歯茎から飛び出してしまう
1日4時間以上インビザラインのマウスピースを外したままにしていると計画どおりに歯が動かず、治療期間が延びてしまう可能性があります。
歯は何もつけていない状態では元の位置に戻ろうとする性質があるため、マウスピースを外している時間が長いとせっかく動いていた歯が後戻りしてしまい、治療のスケジュールにも影響します。
また、長時間外したあとに再装着しようとすると、咬み合わせに違和感が生じたりマウスピースが入らなくなったりして、マウスピースの作り直しが必要になる場合もあります。
さらに、装着時間が少ないまま次のマウスピースに交換すると歯に必要以上の力がかかり、歯の根っこが歯茎から飛び出すことも。
これらのリスクに備えて、次の項目では装着時間を守れなかった場合の対処法を見ていきましょう。
インビザラインの装着時間を守れなかったときの3つの対処法
食べ歩きやおしゃべりに夢中になったり、体調が悪かったりして装着時間を守れないこともありますね。
ここでは「もしも装着時間が守れなかったらどうしたらいい?」というときの対処法を3つご紹介します。
ただし、担当の歯科医師の指示に従うことが前提で、自己判断は禁物です。
①少なくとも20時間は装着できるようにする
インビザラインは22時間の装着時間がベストですが、どうしても難しい場合には最低でも20時間以上は装着することを意識しましょう。
22時間装着したときに比べると治療期間がやや長引いたり、治療の効果が得られにくくなったりすることもありますが、クリニックによっては装着時間を20時間以上に設定している場合もあります。
「22時間なんて無理!」と思わず、少なくとも1日の装着時間が20時間を下回らないように心がけることが大切です。
②マウスピース交換期間をいつもより長めにする
一般的にインビザラインのマウスピース1枚で歯を動かせるのは0.2〜0.25mm程度と言われています。
少なくとも1日20時間以上装着することで算出された数値なので、装着時間を守れない日が多い場合はスケジュールどおりに歯が動かないケースも出てきます。
装着時間が短い日が続いたままの状態で次のマウスピースに移行すると、装着しにくかったり違和感や痛みが生じたりすることもあるので、歯科医師と相談の上で交換期間を予定よりも長めにするという対処法が有効です。
③装着時間が不足してしまったらすぐに歯科医師へ相談する
装着時間を守れない日があった場合には、かならず担当の歯科医師に相談してください。
「2〜3日だったから言わなくてもいいかな」「ちょっとサボっていたから1週間受診を延ばそうかな」
などの自己判断は禁物です。
歯科矯正は長期的な計画を立てておこなう治療です。
自己判断でルールを破ってしまうと予定どおり歯が動かないだけでなく、目標の歯並びにならない場合もあります。
また、治療期間が延びたり、追加の治療が必要となったりしてさらに時間や費用がかかってしまうことも考えられます。
定められた装着時間を守れなかった時にはすぐにクリニックへ相談しましょう。
インビザラインの装着時間を守るためにできる4つのこと
インビザラインでの歯列矯正を成功させるカギは、マウスピースの装着時間を守ることです。
自己管理だけではなかなか難しいと感じる方や忙しくて装着を忘れてしまう方のために、インビザラインの装着時間を守りやすくする方法をご紹介します。
①スマホのアプリやリマインダー機能を使う
スマホのアラームやリマインダーを装着時間の管理に活用するのもおすすめです。
食事時間の前後にセットしておけば、マウスピースの装着を忘れずにすみます。
また、スマホで使える無料アプリ『Tray Minder』もあります。
歯科矯正の治療経験が豊富な歯科医師が作成したアプリで、マウスピースの装着時間を計測したり食後の装着をリマインドしてくれたりしてとても便利です。
マウスピースの合計枚数や着用日数などを入力しておくと、交換日のお知らせや使用日数の調整も可能。
マウスピース矯正で満足のいく治療結果が得られるようサポートしてくれる心強いアプリです。セルフィーで歯並びの変化を確認できるので、モチベーションアップにもつながりますね。
以下のリンクからダウンロードできるので、ぜひ試してみてください。
②装着中のひとつ前のマウスピースを予備として持ち歩く
現在装着中のマウスピースよりもひとつ前のものを、普段から持ち歩くのもおすすめです。
予備を常に持っていれば、外出先でマウスピースを破損したり紛失したりしても装着時間を守れなくなるのを防げます。
大急ぎで身支度をして出かけた日のつけ忘れにも対応できるので、ぜひ習慣にしてみてください。
③痛みが強くて装着できないときは鎮痛剤を服用する
新しいマウスピースに交換してから2日程度は、多少の痛みを感じる方もいます。
痛みが辛くてマウスピースを外してしまうよりも、鎮痛剤を服用して痛みをやわらげて装着するようにしましょう。
ただし、鎮痛剤の種類によっては歯の動きに悪影響を及ぼすリスクもあるため、歯科医師に相談してから服用するようにしてください。
④食後すぐにマウスピースを装着できるように歯ブラシを持ち歩く
矯正中は食後すぐに歯みがきをして、マウスピースを再装着するのが基本です。
外出先でも食事を楽しみたい方は歯ブラシを持ち歩くことをおすすめします。
歯みがきする場所がないときに備えて、歯みがきシートを用意しておくのもいいですね。
歯みがきができないからといって、帰宅するまでマウスピースを着けないなど、装着時間を減らさないようにしましょう。
インビザラインの装着時間に関するよくある質問
「外出先で食事をすることが多い」「旅行先で食べ歩きをするときにはどうしたらいい?」
など、インビザラインの装着時間が短くなりがちなシーンにまつわる質問にお答えします。
Q.インビザライン矯正中はマウスピースの着脱が多くなる食べ歩きはできませんか?
A. インビザラインで矯正中でも食べ歩きを楽しむ方はたくさんいます。
食べるときに外して食事が終わったらすぐにマウスピースを装着するように心がけましょう。
また、新しいマウスピースを使い始めてから3日間は、特にしっかり装着時間を守って歯をマウスピースになじませる期間です。マ
ウスピースを外すタイミングが増える旅行や食べ歩きをしたい場合は、その期間を避けてスケジュールを入れるのがおすすめです。
Q.外出中で歯磨きできないときはマウスピースを装着し直さない方がいいですか?
A. 基本的には、歯みがきをしないままマウスピースを装着し直すのは避けましょう。
食後に歯みがきをせずにマウスピースを装着すると、むし歯や歯周病のリスクが上昇してしまいます。
しかし、屋外のイベントや屋台などの食べ歩きでは、歯みがきができないこともありますね。
歯みがきする場所がないときには歯みがきシートを持っていると便利です。時間がないときにはマウスウォッシュを使用する方法もあります。
いずれの場合も、歯みがきできるシチュエーションになったらすぐにマウスピースを外して、歯みがきとマウスピースのお手入れをして再装着しましょう。
Q.装着時間を少しでも長くするため、お茶ぐらいならマウスピースをつけたまま飲んでいいですか?
A. お茶を飲むときにもマウスピースを外す必要があります。
マウスピースを着けたまま40度以上の熱いお茶を飲むと、マウスピースが変形する恐れがあります。
また、紅茶のように色の濃いお茶は歯やマウスピースに沈着することも。
インビザラインは、飲食する際にはマウスピースを外すのが基本で、装着したまま飲めるのは水と無糖炭酸水だけです。
インビザラインの装着時間をしっかり守って理想の歯並びを手に入れよう!
インビザラインでの矯正治療を成功させるのにいちばん大切なのは、装着時間を守ることです。
1日22時間が推奨されていますが、忙しくて「1時間足りなかった」「半日つけ忘れた」など時間を守れないケースもあるでしょう。
装着時間が足りない状態が長く続けば、治療計画に悪影響を及ぼすリスクがあるのは事実。
装着時間が短くなりそうな日があらかじめわかっているときは、装着を忘れないようにスマホのアプリなど便利なツールをうまく活用したり、歯ブラシを持ち歩くなど事前に対策を考えたりするといいですね。
装着時間を守りさえすれば、取り外して食べ歩きも思いっきり楽しめて、いつも通り歯みがきができて、さらに目立たず歯並びを整えられるのがインビザラインのメリット。
「時間を守れなかったらどうしよう」「できなかったらどうなるの?」と一人で悩む必要はありません。
装着時間のルールを守るための手段をフル活用しながら理想の歯並びを手に入れてください。
※本記事は2023年5月時点での公式情報を元に編集したものです。最新の情報とは異なる可能性がありますので、ご注意ください。