マウスピース矯正ができない例は？対応不可の歯並びと具体例

マウスピース矯正は目立ちにくいのが魅力。

「あれなら人目が気にならないかも！」「安いけど失敗やデメリットは？」と興味を持っている方も多いと思います。

実は、マウスピース矯正にはできない例もあります。

そこでこの記事では、マウスピース矯正ができない例をわかりやすく紹介します！

「私はマウスピース矯正できるの？」と気になっている方も、「マウスピース矯正が向かない人はどうしたらいいの？」と心配している方も、この記事を読めば、きっとあなたに合った歯列矯正の方法がわかります！

マウスピース矯正で治療できない例5つ

マウスピース矯正で治療できない例には、5つのタイプがあります。

なぜこれらがマウスピース矯正ができない原因となってしまうのか、治療できない例をくわしく見ていきましょう。

1：重度の歯周病がある場合

歯周病は、歯ぐきが腫れたり出血したりする病気です。

進行すると、歯を支えている骨が溶けて、歯がグラグラしたり抜けたりすることもあります。

そのため、重度の歯周病がある場合は、マウスピース矯正に限らず、どのような歯列矯正でも矯正治療より歯周病の治療が優先と考えられています。

また、マウスピース矯正は、マウスピースで歯列を覆うため、マウスピース内に歯周病の原因菌が繁殖しやすいというデメリットもあります。

歯周病がない方でも、歯列矯正を始めたら、いつも以上に歯みがきやなどのオーラルケアをしっかりと行うことが大切です。

2：歯を大きく動かす必要がある場合

歯並びのガタガタや八重歯、出っ歯、受け口などの症状が重い方は、歯を大きく動かす必要がある可能性が高いです。

マウスピース矯正は、歯を内側に引っ込めたり小さな隙間を埋めたりするのは得意ですが、抜歯をして歯列全体を大きく動かす治療や、八重歯を下に下げるような上下の移動をする治療はそれほど得意ではありません。

ただし、歯を大きく動かす必要があるかどうかは、外見だけでは判断できません。

くわしくはレントゲンなどの検査結果を見て歯科医師が判断するので、気になる方はまずは検診を受けて相談してみましょう。

3：あごの骨格に問題がある場合

歯並びが悪くなってしまう原因のひとつに、生まれもった骨格があります。

歯はあごの骨の上に並ぶので、下あごの骨が前に突き出て噛み合わせが逆になっていたり、上あごの骨が前に出すぎて口ゴボになっていたりすると、歯を動かすだけで治療することは難しくなってしまうのです。

このような場合は、歯列矯正と外科的治療による骨格の調整を組み合わせるのが一般的です。

4：インプラントを複数入れている場合

インプラントとは、抜歯後に人工の歯根を顎の骨に埋め込む治療のことです。

歯列矯正で歯を動かすときは、歯根を覆っている歯根膜が骨を吸収したり再生したりすることを繰り返しながら少しずつ歯を移動させていきます。

ところがインプラントは人工の歯根のため、歯根膜がないのでこのような移動はできません。

インプラントを複数入れているとそのぶん動かせない範囲も大きくなってしまうため、歯列矯正が難しいのです。

さらには、インプラント周辺の歯を動かすと、インプラントと天然の歯のバランスが崩れて噛み合わせが悪くなってしまうリスクもあります。

5：埋まっている歯（埋伏歯）がある場合

埋伏歯（まいふくし）とは、本来生えてくるはずの歯が、顎の骨や歯ぐきの中に埋まったまま生えてこない歯のことをいいます。

自覚症状はほとんどないため、歯科検診のレントゲンで初めて気が付く方も多いようです。

埋もれている歯は、垂直に立っている状態のこともあれば、斜めや横になっているケースもあり、噛み合わせや歯並びが悪くなる原因となることもあります。

埋伏歯があると歯を動かす妨げとなるため、歯列矯正をする場合は、ワイヤー矯正を併用するなどして埋まっている歯を取り出す処置が必要となります。

マウスピース矯正がおすすめできない人も

マウスピース矯正は多くの実績がある歯列矯正の方法ですが、なかにはおすすめできない人もいます。

あなたに合った歯列矯正の方法をみきわめるためにも、まずはマスウピース矯正のメリットとデメリットを確認してみましょう。

おすすめな人と向かない人も紹介するので、ぜひ判断の参考にしてくださいね。

◆「マウスピース矯正ってどんな治療なんだろう」と思っている方には、マウスピース矯正を初歩から解説した記事もありますよ！自分に合った歯列矯正の方法を選ぶためにも、基礎知識から学んでみませんか？

要チェック！マウスピース矯正のメリット・デメリット

マウスピース矯正にはメリットもデメリットもあります。

それぞれを見くらべてみると、あなたに合っているかどうかを判断しやすくなりますよ。

目立ちにくく、自分で着け外しができる点は大きなメリットですが、装着する時間を管理したり、マウスピースを洗浄したりといった手間がかかるのはデメリットといえるでしょう。

ご自身のライフスタイルや性格なども考えて選びましょう。

マウスピース矯正がおすすめな人・向かない人

マウスピース矯正のメリット・デメリットから、「おすすめな人」と「向かない人」が見えてきます。

それぞれをわかりやすくまとめてみましょう。

抜歯は、歯を並べるためのスペースが足りない場合に行うことがあります。

しかし抜歯をすると歯を大きく動かす必要が出てきてしまうため、マウスピース矯正による治療は難しいかもしれません。

マウスピース矯正は、歯の移動量が少ない場合や、いったん歯列矯正をしたのに元の歯並びに戻ってしまったケースなどに向いています。

また、金属アレルギーがある人はワイヤー矯正による治療は難しいので、マウスピース矯正が第一の選択肢となります。

マウスピース矯正は、歯の大きな移動が得意ではありません。もし無理にマウスピース矯正をしようとしても、非常に長い治療期間が必要となり、そのぶん費用も高額となる傾向があります。

また、マウスピース矯正は自己管理が非常に大切な治療です。

少しずつ歯を移動させるため、複数のマウスピースを順番通りに定期的に交換していくので、交換を忘れてしまうと計画通りに歯を動かすことが難しくなってしまいます。

さらに、毎日のマウスピースの洗浄や、決められた装着時間を守れたかどうかも治療の結果を大きく左右します。

マウスピース矯正ができないときの選択肢

マウスピース矯正が向いていない人や、クリニックで適応外と診断された人は、どのような選択肢があるのでしょうか。

それぞれの治療の方法や特徴を見てみましょう。

ワイヤー矯正

日本で最も広く一般的に行われている方法のひとつです。

「ブラケット」という小さな金具を歯の表面に取り付け、そこにあらかじめ曲げられた形状記憶のワイヤーを通して、ワイヤーが戻ろうとする力を利用して歯に力をかけていきます。

歯の表側に装置を着けるため、見た目が目立ちやすいことを気にする方が多いのですが、実は歯の裏側に装置を着ける「裏側矯正」や、白いブラケットとワイヤーを使用した「ホワイトワイヤー矯正」などの目立ちにくい治療方法もあります。

◆ ワイヤー矯正の種類をわかりやすく解説した記事もあるので、ワイヤー矯正を検討している方はあわせて読んでみてくださいね。

ハイブリッド矯正

マウスピース矯正とワイヤー矯正を組み合わせた治療です。

別名「コンビネーション治療」とも呼ばれます。

マウスピース矯正は症状によっては適応とならないため、まずは歯を大きく動かす治療などをワイヤー矯正で進め、マウスピース矯正で対応できるところまできたらマウスピース矯正に切り替えます。

それぞれの良いところを組み合わせることによって、治療期間が短縮できるなど、患者様の要望に柔軟に対応することができます。

外科的矯正

外科的矯正とは、骨格や噛み合わせなどを手術によって正しい位置に導く治療のことです。

骨格的な要因により、顎が前に出すぎていたり、噛み合わせに異常があったりする場合などに提案されます。

数週間程度の入院が必要となるのが一般的で、骨格の治療が終わってから、歯列矯正で歯並びを整えることが可能です。

セラミック矯正

セラミック矯正とは、歯を削ってセラミックの被せ物をする方法のことです。

歯型を採って被せる治療なので、数回通院するだけで治療が完了し、金属アレルギーがあっても治療可能です。

ただし、健康な歯を大きく削る必要があり、経年劣化によって再治療が必要になる可能性もあるなど、いくつかのデメリットもあります。

歯を動かす治療ではないので、厳密には歯列矯正とは異なる治療ですが、時間をかけずに理想の歯並びや白い歯を手に入れたい場合に選択肢のひとつとなります。

【Q＆A】できる？できない？マウスピース矯正の質問集

ここでは、マウスピース矯正に関する質問を集めてみました。

「こんな場合はマウスピース矯正はできるの？」といった疑問にもお答えしています。

マウスピース矯正で八重歯は治せますか？

八重歯はマウスピース矯正で治療が可能です。

ただし、症状によっては他の治療方法が提案される可能性もあります。

八重歯はほかの歯より遅れて生えてくるため、狭いスペースから押し出されて斜めになりやすいといわれています。

また、顎が小さい方や歯が小さい方も八重歯になりやすい傾向があります。

つまり、八重歯をマウスピース矯正で治療できるかどうかは、スペースがあるかどうかがひとつのカギとなります。

• 歯を並べるスペースが足りない
• 八重歯の症状が重い
• 抜歯の必要がある
• 骨格に問題がある

このような場合は、抜歯をしたり歯列を拡張したりといった追加治療が必要になったり、マウスピース矯正による治療は難しいと判断される可能性もあります。

八重歯を矯正したい方に知ってほしい、八重歯の矯正について解説した記事もありますよ！ぜひあわせて読んでみてくださいね。

マウスピース矯正で前歯だけを治せますか？

マウスピース矯正には、歯列全体を治療する「全顎矯正」のほか、前歯だけを治療対象とする「部分矯正」もあります。

部分矯正で治療できる具体的な歯列の範囲はマウスピース矯正のブランドにより異なりますが、一般的には、軽度～中等度の症状の出っ歯、すきっ歯、ガタガタなどであれば部分矯正で対応できる可能性が高いです。

ただし、症状が重い場合や、抜歯が必要な場合、骨格や噛み合わせに問題がある場合などは、前歯だけの部分矯正が適応外となる可能性もあります。

まずは歯科クリニックで検診を受けて確認してみましょう。

◆ 前歯だけを治療したい方のために、マウスピース矯正の部分矯正をくわしく解説した記事もありますよ。前歯が気になっている方は読んでみてくださいね！

マウスピース矯正は何年くらいかかりますか？

マウスピース矯正にかかる治療期間は、患者様のもともとの症状や抜歯などの追加治療の有無によっても変動しますが、一般的には、全顎矯正より部分矯正の方が治療期間が短い傾向があります。

また、マウスピース矯正のブランドによっても治療期間の目安は異なります。

たとえば、全顎矯正ができるマウスピース矯正のブランドとして人気のインビザラインは、パッケージごとに次のような目安期間となります。（2024年自社調べ）

また、部分矯正のマウスピース矯正のブランドとして人気のキレイライン矯正とインビザラインGoパッケージは、次が目安となります。

◆ インビザラインそれぞれの治療期間について解説した記事と、キレイライン矯正の治療期間を解説した記事もあるので、くわしく知りたい方はぜひ読んでみてください。

※治療期間はあくまでも目安です。装着する矯正装置の種類や、治療の範囲、歯の状態、年齢等により大きく変わります。
※保定治療期間は含みません。すべての矯正歯科治療において、治療終了後は後戻りを防ぐため保定治療期間が必要です。

マウスピース矯正ができる年齢は？

歯根や顎の成長が完成し、永久歯が生えそろっていることがひとつの目安となりますが、マウスピース矯正に年齢の上限はありません。

ただし、口腔内の健康に問題がないことが重要です。

歯周病やむし歯があるとマウスピース矯正を始められないケースもあるため、気になる方は歯科クリニックで検診を受けることをおすすめします。

マウスピース矯正があなたに合っているかカウンセリングを受けてみよう

マウスピース矯正ができない例についてお伝えしてきました。

次のような方は、マウスピース矯正ができないことも考えられます。

しかし、上記のような場合でも、ほかの治療を組み合わせることで、マウスピース矯正ができるケースもありますよ。

マウスピース矯正ができるかどうかは、患者様ひとりひとりの症状やご希望によっても異なります。

DDデンタルクリニックグループでは、初回検診を無料で行っています。（※）

マウスピース矯正ができるかどうかの診断や、あなたに合った治療法の提案をしますので、ひとりで悩みを抱えているより、気軽に話を聞きにいらしてみませんか？

※本記事は2025年2月時点での公式情報を元に編集したものです。最新の情報とは異なる可能性がありますので、ご注意ください。
※保険適用外の自由診療となります。