出っ歯の原因は遺伝?歯並びが悪くなる本当の原因とは
目次
なぜ出っ歯になってしまうのか、原因を知りたくありませんか?
「出っ歯の原因は遺伝なの?」
「最近歯が前に出てきたような気がするけど……」
「うちの子、将来出っ歯になってしまうの?」
出っ歯の原因を気にする方も多いのですが、出っ歯の原因には、遺伝によるものと生活習慣によるものがあります。
実は日本人で出っ歯で悩んでいる方は多いってご存じですか?
厚生労働省の調査(※平成28年歯科疾患実態調査結果)によれば、不正咬合のうちの約40%と、最も多い症状が「出っ歯」という結果が出ています。
このように悩んでいる方が多い「出っ歯」ですが、原因は遺伝によるものだけでなく、親から子に引継がれる環境的要因も出っ歯に影響しています。
この記事では、親からの遺伝のほかに、後天的に出っ歯になる原因についてもわかりやすく解説していきます。
大人と子供、それぞれの対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
なぜ出っ歯になる?歯並びが遺伝する確率は?
出っ歯になる原因のひとつとして遺伝も関連していることが挙げられます。
出っ歯が遺伝する確率やその理由などについて、解説していきます。
出っ歯は遺伝するが、別の要因が影響していることが多い
両親のどちらかが出っ歯の場合、子供にも出っ歯が遺伝することがあります。
ただし、どのくらいの確率で遺伝するかは歯科医師の中でも見解が分かれており、「30%程度の確率で遺伝する」という意見もあれば、「80%程度の確率で遺伝する」という意見もあります。
そのため、「出っ歯が遺伝する確率は〇%」ということは難しいようです。
また、「出っ歯が遺伝する可能性は低い」とする歯科医師の意見も多くみられることから、出っ歯の原因は、遺伝よりも生活習慣などの後天的な理由によるものが大きいのではないか、と考えられています。
出っ歯そのものではなく、歯の大きさや形が遺伝の影響を受けやすい
出っ歯は遺伝する可能性がありますが、歯並びそのものが遺伝するわけではありません。
親から遺伝するのは、歯並びの重要なカギを握る「骨格」や「歯の大きさ」です。
これらが遺伝することによって、結果的に親と同じような歯並びになりやすいといわれています。
たとえば骨格でいえば、下顎に対して上顎が大きく前に出た状態だったり、上顎が小さかったりすると、出っ歯になりやすくなります。
また、うまれつき前歯が大きいと、歯が生えるスペースが不足してまっすぐに並ぶことができず、前に突き出して出っ歯になるケースもあります。
そのほかに親から子に伝わるものとして、「生活習慣」も無視できません。
日常的に繰り返している癖や習慣などが、出っ歯の原因となっている可能性も高いんですよ。
まとめると
- 「出っ歯」そのものが遺伝する確率は低め
- 骨格や歯の大きさは遺伝することがあり、出っ歯の要因になりうる
- 子供の出っ歯は、親の生活習慣の影響が原因となる可能性も高い
次の項目では、親から受け継がれてしまう「出っ歯の原因になりうる悪い習慣」について紹介していきます。
遺伝じゃないとしたら、出っ歯になってしまう原因はなに?
出っ歯になってしまう原因は、遺伝よりも生活習慣などの後天的な原因の可能性が高いという話をしました。
では、いったいどのような癖や習慣が出っ歯の原因になってしまうのでしょうか?
具体的な原因を「子供」と「大人」に分けて解説します。
子供のころからの習慣や癖が影響
子供のころからの習慣や癖が原因で出っ歯になる場合は、大人になるにしたがって徐々に出っ歯が目立つようになるケースです。
このような場合は、両親が出っ歯でなくても子供が出っ歯になる可能性があります。
たとえば、子供のころからこのような癖が習慣になっていませんか?
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- 指しゃぶり
- 下唇を噛んだり吸ったりする
- 舌で上
- 口呼吸
◆ 指しゃぶり
前歯の位置がズレたり咬み合わせが不正になったりする原因となります。
◆ 下唇を噛んだり吸ったりする
下の前歯に力がかかって、相対的に上の前歯が出っ歯に見えるようになります。
◆ 舌で上の前歯を押したり、舌を上下の前歯の間から出したりする
上の前歯に力がかかって、前に突き出した形になります。
◆ 口呼吸
いつもポカンと口を開けている場合は要注意です。通常より低い位置に舌を置くので、お口の内側からの力が強くかかって歯並びが悪くなります。
大人になってからのお口のトラブルや癖が影響
大人になってから徐々に出っ歯になってしまう場合は、日常的な癖のほかにお口のトラブルが影響している可能性も考えられます。
「最近歯が前に出てきた」と感じている方は、次のようなことが原因になっている可能性があります。
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- 歯周病
- 歯ぎしり・食いしばり
- 親知らずが圧迫している
◆ 歯周病
治療しないまま進行すると、歯の土台となっている歯槽骨が歯を支えきれなくなって歯が外側に放射状に広がる「フレアーアウト」という状態になり、出っ歯になることがあります。
◆ 歯ぎしり・食いしばり
睡眠中や日中に無意識に歯に強い圧力をかけ続けるため、歯がすり減って咬み合わせが深くなり、出っ歯になることがあります。
◆ 親知らずが圧迫している
親知らずが生えるスペースが少ないと、奥から前歯に向かって押してくることがあります。
押された前歯は行き場を探して前に出るようになります。
出っ歯は治療すべき?放置するリスクは?
「出っ歯は治療しなければいけないの?」「そんなに目立たないから治療しなくていいかも」
と思っていませんか?
出っ歯は「不正咬合」という噛み合わせや歯並びに異常がある症状です。
見た目が気になる以外にも、身体にさまざま影響を与えてしまうんですよ。
出っ歯が気になったら、適切な対処をしていきましょう。
大人の場合は早めに歯科矯正を検討すべき
大人の方はなるべく早めに矯正歯科治療について歯科医師に相談しましょう。
出っ歯を放置すると、口元がモコッと前方に出た「口ゴボ」になりやすく、ほかにも多くのデメリットがあります。
デメリット
- むし歯や歯周病になりやすい
- 口の中が乾燥しやすい
- 外傷で大きなダメージを負う可能性がある
- 出っ歯がさらに悪化する可能性がある
◆ むし歯や歯周病になりやすい
デコボコした部分に歯ブラシが届きにくいため、磨き残しからむし歯や歯周病を発症し、さらには口臭の原因となることもあります。
◆ 口の中が乾燥しやすい
唾液はむし歯や歯周病、口臭の原因となる菌から口の中を守る働きがあります。
口の中が乾燥すると唾液の分泌量が減るため、むし歯や歯周病、口臭などを発生しやすくなります。
◆ 外傷で大きなダメージを負う可能性がある
前歯が前に出ているぶん、人や物に当たった時などに外傷を受けやすくなります。
◆ 出っ歯がさらに悪化する可能性がある
咬み合わせが深すぎたり口呼吸が習慣になっていたりすると、出っ歯の症状がさらに悪化する可能性があります。
子供の場合は予防から検討しても
子供の場合は、早期に出っ歯の原因となる癖や習慣をあらためることで、大人になってからの出っ歯を予防できる可能性があります。
すでに出っ歯になっている場合は自力で治すことはできませんが、「将来出っ歯になるかも?」とお子さんの歯並びが心配な方は、まずはお口周りの悪い習慣を改善することから始めてみてもいいでしょう。
出っ歯の原因となる悪い習慣とは、次のようなものです。
- 指しゃぶりをする
- お口をポカンと開けている
- 下唇を噛んだり吸ったりする
- 舌で上の前歯を押したり、上下の前歯の間から舌を出したりする
- 口呼吸をしている
出っ歯を治す選択肢は複数あり
出っ歯の治療というと、銀色のワイヤーを装着した矯正歯科治療をイメージする方が多いのではないでしょうか?
最近ではさまざまな矯正方法があり、気になるところだけを重点的に治療する方法や、周りの人にほとんど気づかれないほど目立たない矯正装置もあるんですよ。
「なるべく早く治療を終わらせたい」「矯正しているのを人に知られたくない」という方も、きっとあなたに合う治療法が見つかりますよ!
出っ歯はこれ以上の悪化を防ぐことも大切!一日も早く歯科医師に相談しよう
出っ歯になる原因は、遺伝によるものと生活習慣によるものがあります。
遺伝が原因となる確率は低いと考えられていますが、、顎の骨格や歯の大きさなどは遺伝するため、結果的に親と同じような出っ歯になることがあります。
生活習慣によって出っ歯になる場合は、大人であれば、歯周病や歯ぎしり、食いしばり、親知らずなどが原因となっていることも多いです。
子供の場合は、指しゃぶりや口呼吸、舌の癖などが出っ歯の原因となりやすく、早期に癖を改善することで、将来的な歯並びの心配を減らすことが可能です。
「出っ歯は我慢するしかないのかな?」
という方も、出っ歯にはさまざまな治療方法がありますよ。
部分的に治療することも、今まで通りメイクもおしゃれも楽しみながら治療することも可能なので、出っ歯が気になる方は歯医者さんに相談してみませんか?
※本記事は2023年5月時点での公式情報を元に編集したものです。最新の情報とは異なる可能性がありますので、ご注意ください。