出っ歯の基準│どこから重度?軽度との違い・チェック方法・治し方を解説
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目次
「ひどい出っ歯だけど、重度なのかどうかを知りたい…」と悩んでいませんか?
出っ歯には軽度から重度までの幅があり、原因や症状によって治療の方法も変わってきます。
この記事では、出っ歯の基準やセルフチェック方法、治療法とその選び方までわかりやすくご紹介します。
あなたは重度かも?出っ歯の基準とチェック方法

「笑うと前歯が目立つ」「横顔が気になる」といった軽い違和感から、「けっこう重度かも…?」という不安まで、その程度は人それぞれ。とはいえ、出っ歯は決して珍しくはないのです。
平成23年の厚生労働省の調査によると、じつに約10人に1人が出っ歯であるとされ、平成28年のデータでは12〜20歳の約4割に出っ歯の傾向があることがわかっています。(※1、2)
※1 平成23年 厚生労働省 歯科疾患実態調査(12~20歳のオーバージェット6㎜以上を調査した割合)
※2 平成28年 厚生労働省 歯科疾患実態調査(12~20歳のオーバージェット4㎜以上を調査した割合)
ここでは、出っ歯の判断基準やチェック方法、重度と軽度とのボーダーラインについて解説します。
どのくらいだと出っ歯?上顎前突の基準

上顎前突の基準は、おもに「上の前歯が下の前歯よりも4mm以上出ている」場合です。
出っ歯とは、上の顎が下顎よりも前に突き出している状態のことで、歯学用語では「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と呼ばれます。
標準的な前後差は2〜3mmですが、出っ歯の傾向があると診断されるのは、前後差が4mm以上ある場合です。
「私は出っ歯の基準に当てはまる?」と気になる方は、簡単にできるセルフチェック方法を試してみましょう。
セルフチェック方法✓
上の前歯の先端から下の前歯までの距離を水平に測ってみましょう。
端から測れる定規を下の前歯に当てて、上の前歯の先端までの距離を水平に測るのがポイント。
割り箸などを使って印をつけてから、定規で測ると簡単です。
「上下の前歯に4mm以上の隙間がある」という状態であれば、出っ歯の可能性があるかもしれません。
重度のひどい出っ歯とは?軽度との境界
出っ歯(上顎前突)が重度とされるのは、「上の前歯が下の前歯より6mm以上前に突出している」場合です。
このレベルになると、単に歯が前に出ているというだけでなく、以下のような見た目や機能的な問題が現れることが多くなります。
- 前歯の突出感が明らかに強い
- 横顔のEライン(鼻先と顎先を結んだ線)よりも口元が盛り上がって見える
- 食べ物を前歯でうまく噛みきれない
- 前歯が邪魔をして唇を自然に閉じにくく、常に口が開きがちになる
- 力を入れて口を閉じると、口元が歪んだり顎にシワが寄ったりする
一方、軽度の出っ歯では、前歯の隙間が4〜5mm程度で、奥歯の噛み合わせに大きな問題がなく、見た目の違和感も比較的少ない傾向にあります。
また、学校保健安全法では、上下の前歯の距離が7〜8mmある場合には治療が必要とされています。
これは、重度の出っ歯が審美面だけでなく、噛む・話す・口を閉じるといった機能にも影響を与える可能性が強いためです。
重度・軽度の判断基準
重度と軽度の境界は6mmが基準。
上で紹介したセルフチェック方法で測った距離が4〜5mmなら「軽度」、6mm以上なら「重度」ということになります。
ただし、ここで挙げた出っ歯の基準はあくまでも目安なので、気になる場合は歯科クリニックでの診断をおすすめします。
出っ歯の重症度について│原因と症状の種類

出っ歯の重症度は「上下の前歯に何ミリの差があるのか」という数値の基準だけでなく、出っ歯の「原因」や、それによって引き起こされている「症状の種類」も含めて判断する必要があります。
出っ歯の原因
出っ歯の原因は、大きく分けて「先天的なもの」と「後天的なもの」があります。
- 先天的な原因
生まれつきの骨格や顎の大きさ、歯の大きさや形など - 後天的な原因
指しゃぶりや爪を噛む癖、舌で前歯を押す舌癖、口呼吸など
◆ あなたの出っ歯の原因は親からの遺伝なのか、日頃の癖や習慣なのか…出っ歯の原因についてくわしく解説した記事があるので、ぜひ読んでみてくださいね。
歯の問題?骨格の問題?重症度チェック
さらに、出っ歯(上顎前突)は歯並びが原因の「歯槽性」と骨格が原因の「骨格性」の2つのタイプに分けられ、そのどちらなのかということも重症度を知るための手掛かりになります。
「歯槽性上顎前突」とは、前歯の生え方や傾きに問題がある出っ歯のことで、歯列矯正で治療が可能なケースが多いタイプです。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの歯列矯正の中から、突出している歯の本数や出っ歯の症状の強さに合わせた治療方法で対応することになります。
もうひとつのタイプである「骨格性上顎前突」は、上顎の骨自体が前に出ていたり、下顎の骨が小さくて引っ込んでいたりと顎の骨格に問題がある状態で、一般的に歯槽性よりも重症度が高いです。
歯列矯正だけでは骨格を変えることができないため、治療には矯正と外科手術を併用することがあります。
ご自身の出っ歯のタイプと適した治療法自分で判断することはできません。
まずは歯科クリニックでカウンセリングを受けてチェックしてもらいましょう。
放置すると後悔する?重度の出っ歯がもたらすリスク

出っ歯を放置することは見た目のコンプレックスを解消できないだけでなく、噛み合わせや発音をはじめ、全身の健康までをもリスクにさらすことにつながります。
噛み合わせの悪化や歯への負担
前歯で噛み切れないため奥歯に負担が集中して、噛み合わせの悪化や歯の寿命を縮める原因になります。
咀嚼機能の低下
上下の前歯に隙間があると食べ物をうまく噛みきれず、胃腸への負担が増して消化不良を起こしやすくなります。
発音への影響
出っ歯は上下の前歯の隙間から空気が漏れやすく舌の動きも制限され、不明瞭な発音や滑舌の悪さにつながります。
顎関節症のリスク
噛み合わせの乱れから顎関節に負担がかかり、顎関節症や顎の痛みを引き起こすことがあります。
頭痛・肩こりなど健康面への悪影響
噛み合わせのバランスが崩れると顎の筋肉にかたよった負担がかかり、頭痛や肩こり、不定愁訴を引き起こすなど、さまざまな悪影響を及ぼすことがあります。
虫歯や歯周病のリスク
前歯の突出によって歯みがきが難しくなるだけでなく、口呼吸にもなりやすいため、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
重度の出っ歯でも歯列矯正だけで治せる?治療法の選び方

重度の出っ歯でも、歯列矯正だけで治療できるケースは少なくありません。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、症状や程度に応じて選べる治療法もさまざまですが、骨格に原因がある重度のケースでは、外科手術が必要になる場合もあります。
ここでは、重度の出っ歯を治療するための矯正方法の特徴を学びながら、自分に合った治療法を見つけるヒントを探していきましょう。
ワイヤー矯正(表側矯正)
ワイヤー表側矯正は、ブラケットとワイヤーを装着して歯並びを動かす、もっともスタンダードな治療方法です。
幅広い症状に対応できるため、出っ歯の治療にも適しています。
歯の表側に装置をつけるため目立ちやすいのが難点ですが、細やかな調整がしやすく、抜歯をともなう大きな歯の移動が必要な重度の出っ歯にも対応が可能です。
また、近年は目立ちにくい装置を採用するクリニックも増えており、できるだけ費用を抑えて治療したい方にもおすすめできます。
DDデンタルクリニックの「口ゴボワイヤー矯正」は、出っ歯の改善と横顔のバランスを同時に目指せる治療方法。
出っ歯でもっこり盛り上がった口元を整え、理想的なEラインを手に入れたい方にぴったりな治療方法です。

ワイヤー矯正(裏側裏側)
裏側矯正は、歯の裏側(舌側)に装置をつけて歯並びを整える方法です。
とくに、奥歯の方向へ歯を引っ張ることが得意なため、出っ歯を効果的に引っ込めたい方に向いています。
矯正装置が見えにくいため、治療中であることが周囲に気づかれないのも大きなメリット。人前に立つ仕事をしている方にも人気です。
費用はやや高めですが、上顎は裏側矯正、目立ちにくい下顎には表側矯正を組み合わせる「ハーフリンガル」で、コストを抑える方法もあります。
DDデンタルクリニックでは、独自の3DシミュレーションとAI技術を組み合わせた裏側矯正「Brava(ブラーバ)」を提供しています。
アメリカ発の新技術と加速装置により、従来の裏側矯正よりも痛みを抑えながらスピーディーな歯の移動を実現します。

マウスピース矯正(インビザライン)
透明なマウスピース型の装置を使って歯を移動させる矯正方法で、装置が目立ちにくく、自分で着脱できるのが魅力です。
軽度〜中等度の出っ歯であれば、インビザラインの全顎矯正で治療できるケースもありますが、重度や骨格に原因がある場合には、ほかの治療方法を選択することもあります。
◆ 出っ歯を治すためのマウスピース矯正の種類や費用、治療期間の目安などを紹介した記事も参考にしてみてくださいね。
DDデンタルクリニックでは、精密な3Dシミュレーションを活用して、一人ひとりにぴったりなインビザラインの治療プランをご提案します。
できるだけ目立たない治療方法で、より快適に歯並びを改善したい方はぜひご相談ください。

外科手術を伴う矯正
骨格に問題がある重度の出っ歯では、歯列矯正だけでは治療が難しく、外科手術が必要になることもあります。
たとえば、
- 上顎の突出が大きい場合に、骨を後方に移動する
- 上下のバランスを整えるために、顎の骨の位置を調整する
など、顎の骨を適切な位置に整える手術と歯列矯正を併用します。
見た目の改善だけでなく、噛み合わせや咀嚼・発音など、機能面の向上も期待できます。
◆「出っ歯を治したい…」と思っているあなたのために、出っ歯の歯列矯正についてくわしく解説している記事があります。いちばん気になる治療費用やクリニック選びのポイントもあるので、ぜひ読んでみてくださいね。
出っ歯の歯列矯正に関するよくある質問

最後に、「出っ歯の歯列矯正」について多く寄せられる質問への回答を紹介します。
出っ歯を治すのに何年かかりますか?
出っ歯を治療する期間は、歯列矯正の種類によって異なります。
一般的な治療期間の目安を以下にまとめましたが、歯が動くスピードには個人差があり、症状によっても期間が異なります。
- ワイヤー表側矯正(全顎):1年〜3年程度
- ワイヤー裏側矯正(全顎):1年半〜3年程度
- マウスピース矯正(全顎):1年〜3年程度
※2022年(自社調べ)
出っ歯の矯正は何歳からできますか?
出っ歯の矯正といっても年齢に応じた治療方法はさまざまですが、ここでは「大人の歯列矯正」について説明します。
歯列矯正は、基本的に永久歯がすべて生えそろったあとに行う治療です。
すべての乳歯が永久歯に生え変わる12〜14歳ごろが、ひとつの目安となります。
自力で少しでも出っ歯を治す方法はありますか?
残念ながら、出っ歯を自力で治す方法はほぼありません。
出っ歯を根本的に改善したいなら、歯科クリニックでの相談をおすすめします。
重度の出っ歯も歯列矯正で改善できる

重度のひどい出っ歯でも、歯列矯正で改善できる可能性があります。
歯列矯正にはワイヤー矯正やマウスピース矯正など、出っ歯の症状ごとに適した治療の種類があります。
まずは、あなたの出っ歯がどんな状態なのかを、歯科クリニックで検査してもらうことが大切です。
とはいえ、「歯列矯正って歯を治療するだけでしょう?」「出っ歯だけじゃなくてもっこりした口元も引っ込めたいんだけど…」
そんなふうに思う方も多いはず。
せっかく出っ歯を治療するなら、横顔のバランスまで美しく整えたいですよね!
DDデンタルクリニックの歯列矯正は、治療後の見た目までしっかり考えた「大人の審美矯正」です。
カウンセリングと精密検査を含めた初回検診も無料(※)なので、「私に合う治療方法を知りたい」「どのくらいキレイになれるのかな?」など、ちょっとしたご相談からでも大歓迎です。
まずはお気軽に、あなたの理想の笑顔について聞かせてくださいね!
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※本記事は2025年5月時点での公式情報を元に編集したものです。最新の情報とは異なる可能性がありますので、ご注意ください。