八重歯と犬歯の違いは?尖った犬歯を放置するリスクと矯正の必要性

八重歯・ガタガタ

「八重歯」「犬歯」はよく混同されますが、実際には異なる意味を持ちます。

「八重歯」は歯が重なり合って生える状態を指し、「犬歯」は前歯から数えて3番目に生える歯のことです。

今回は、八重歯と犬歯の明確な違いとともに、犬歯が八重歯になりやすい理由や、八重歯を放置するリスクなどをわかりやすく解説します。

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八重歯と犬歯の明確な違い

「八重歯」「犬歯」は同じものだと思われがちですが、実は意味も指すものも異なります。

「八重歯」は歯が他の歯と重なり合っている歯並びの状態を意味し、「犬歯」とは歯の名前を指しています。

犬歯とは中心から3番目に位置する歯の名称

犬歯とは中心から3番目に位置する歯の名称

「犬歯」とは、前歯の中心から数えて3番目に位置する、上下左右で合計4本ある歯の名称です。

ひし形で先端が尖っている犬歯は「糸切り歯」とも呼ばれ、食べ物を引き裂く役割を持っています。また、犬歯はほかの歯と比べて根っこが長く、強度が高いのが特徴です。

食べ物を噛み切るだけでなく、上下の噛み合わせを調整する大事な役割も担っていて、永久歯の中でも特に重要な歯です。

「犬歯がある人とない人っているの?」と思ったかもしれませんが、犬歯は誰にでも生える歯です。まれに欠けることはありますが、基本的にはみんな持っています。

八重歯とは犬歯を含め歯列から外れて生えた歯のこと

八重歯とは犬歯を含め歯列から外れて生えた歯のこと

「八重歯」とは、本来並ぶべき歯列から外れて、外側や内側に重なって生えている歯のことです。

犬歯だけでなく、ほかの歯が歯列から外れてほかの歯に重なって生えた場合も八重歯と呼ばれます。

また、歯の向きが揃っていないガタガタな歯並びを歯科では「叢生(そうせい)」と呼びますが、八重歯も叢生の一種なんですよ。

八重歯と犬歯が混同される理由

「八重歯」「犬歯」が混同される理由は、犬歯が歯列から飛び出して八重歯になりやすいためです。

上顎の犬歯は、前歯や奥歯に比べて生えるタイミングが遅いため、歯列に十分なスペースがないと、歯列にきれいに並ぶことができずに八重歯になりやすい特徴があります。

そのため、「八重歯=位置がズレて生えた犬歯」と誤解されるケースが多いのです。

犬歯が八重歯になりやすい原因

犬歯が八重歯になりやすい原因は、遺伝による「先天的な要因」と、習慣などによる「後天的な要因」の2つに分けられます。

先天的な要因

先天的な要因としては、「顎の小ささ」「永久歯の萌出遅延」があります。

遺伝的に顎の骨が小さいと、歯が並ぶスペースが足りず、犬歯が歯列の正しい位置に収まりきれずに八重歯になりやすいです。

また、乳歯が抜けた後、本来生えてくるはずの犬歯(永久歯)が遅れて生える「萌出遅延」も八重歯の原因となります。

さらに、歯の本数が多い「過剰歯」の場合も、歯列にスペースが不足することから犬歯が歯列から飛び出し、八重歯になることがあります。

後天的な要因

後天的な要因には、「顎の発達不足」「生え変わり時期の問題」が挙げられます。

やわらかい食べものばかりで顎が十分に発達していないケースや、むし歯で乳歯が早く抜けたり、逆に長期間残ったりすることも、犬歯が八重歯になりやすい要因です。

ほかにも、舌で前歯を押すクセや口呼吸、長期間の指しゃぶりも、お口の周りの筋肉の成長や歯並びに影響を与え、犬歯が八重歯になる原因となります。

八重歯を放置することで起こるリスク

叢生(八重歯)

八重歯を放置していると、むし歯や歯周病、噛み合わせの悪化など、さまざまな問題が生じます。

また、放置することで起こるリスクは見た目やお口の中だけにとどまらず、健康面でもさまざまな影響を及ぼすのです。

虫歯・歯周病になりやすい

八重歯は、歯列から外れたり重なったりするため、歯ブラシが届きにくくなっています。

しっかり磨いたつもりでも磨き残しや歯垢がたまってしまい、むし歯や歯周病のリスクが高まります。

他の歯の寿命を縮めるリスクが上がる

八重歯があると噛み合わせのバランスが崩れ、奥歯やほかの歯に余分な負担がかかります。

負担が長期的に続けば、ほかの歯の寿命が短くなることも。

口内炎ができやすい

歯列の外側に飛び出した八重歯があると、頬の内側や舌、唇などを傷つけやすくなり、口内炎を引き起こす原因にもなります。

口呼吸になりやすい

デコボコに重なる八重歯によって唇が閉じにくいと、口呼吸になりやすくなります。

口呼吸ではお口の中が乾燥するため、口臭が発生することも。

このように、八重歯を放置することで起こるリスクは多岐に渡ります。

とくに犬歯の八重歯を放置することは、歯だけではなくお口全体の健康を危険にさらす可能性もあるのです。

八重歯の犬歯は治した方がいい?

八重歯にかわいいイメージを持つ人もいますが、犬歯の八重歯は口腔機能や身体の不調につながる可能性があり、迷っているなら「治したほうがいい」です。

犬歯は、噛み合わせの安定や食べ物を引き裂くための重要な歯ですが、八重歯になるとその機能がうまく働かない「犬歯の機能不全」に陥るおそれも。

歯や口内にとどまらず、顎関節症や頭痛、肩こりなど、将来的な健康リスクを避けるためにも、まずは矯正歯科での相談をおすすめします。

DDデンタルクリニックグループでは初回検診を無料で実施しています。(※)

「このままでいい?それとも治すべき?」と迷っている方も、お気軽にご相談ください。

※1 予約完了画面でLINE友だち登録をしていただき、初回検診のご来院時に受付でクーポンをご提示いただくと、初回検診料が無料となります。会計時にクーポンをご提示いただけなかった場合は、通常の初回検診料が発生します。

尖った八重歯を矯正で治す方法は?

尖った八重歯はおもに矯正によって治療しますが、「矯正」の種類によってアプローチが異なります。

代表的な矯正の種類や、治す方法をご紹介します。

矯正治療

八重歯を治すためのおもな矯正治療は、矯正歯科で行われている「ワイヤー矯正」「マウスピース矯正」です。

それぞれ異なる特徴があり、一人ひとりの八重歯の症状に合わせた治療法が選択されます。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正(表側・裏側)

「ワイヤー矯正」は、歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーで歯を少しずつ移動する方法です。

歯の表側に装置をつける「表側矯正」と、裏側(舌側)につける「裏側矯正」があります。

重度の八重歯にも対応できて、同時に噛み合わせも整えられるのがメリットです。

マウスピース矯正

マウスピース矯正(キレイライン・インビザライン)

「マウスピース矯正」は、透明なマウスピースを用いて歯を動かす方法です。

目立たず、取り外しができるため食事や歯みがきがしやすいのが利点ですが、装着時間やお手入れなどの自己管理が必要。

症状の強さによっては対応できないケースもあります。

「矯正に興味はわいてきたけど、費用とかいろいろ気になって…」そんなあなたのために、八重歯の矯正にかかる費用や期間の目安などを、種類ごとにわかりやすく解説した記事があるので、ぜひ読んでみてくださいね。

セラミック治療

「セラミック治療」は、歯を削ってセラミックの被せ物を装着し、見た目を整える方法です。

セラミック矯正と呼ばれることもありますが、実際には歯を移動させない治療方法。

治療期間が短いメリットがありますが、根本的な歯並びや噛み合わせの改善はできません。

犬歯の八重歯に関するよくある質問

「犬歯の八重歯」に関して多く寄せられる質問への回答をご紹介します。

あなたの疑問もここで解決できるかもしれません!

犬歯が尖っている人と尖っていない人の違いとは?

犬歯が尖っている人と尖っていない人の違いは、おもに遺伝や噛み合わせ、歯の磨耗によるものです。

犬歯は本来尖った形をしていますが、遺伝的な要因や噛み合わせの悪さ、歯ぎしりや食いしばりなどによる磨耗の影響で、丸みを帯びることがあります。

 尖った犬歯は削って治せる?

犬歯の先が尖っているだけで歯並びや位置に問題がない場合には、歯の表面(エナメル質)をわずかに削って丸く整えることが可能です。

犬歯が斜めに生えた八重歯で尖って見えるケースでは、単に削るだけでは根本的な解決になりません。

八重歯は「不正咬合」という歯並びの乱れの症状のひとつなので、正しい位置に歯を動かす治療が必要です。

まずは矯正歯科でのご相談をおすすめします。

八重歯になった犬歯は抜いた方がいいの?

基本的には、八重歯になった犬歯はできるだけ抜かずに残すことが推奨されています。

犬歯は歯の中でも寿命が長く丈夫で、噛み合わせや歯列の安定などの重要な機能を担っているためです。

しかし、重度の八重歯や、ほかの歯との噛み合わせ、歯周病のリスクなどによっては、抜歯が必要になる場合もあります。

八重歯と犬歯の違いを知って必要なら早めの相談を

八重歯と犬歯の違いを知って必要なら早めの相談を

「八重歯」は歯列から外れて生えた歯の状態、「犬歯」は前歯の中心から3番目に位置する歯の名称。

八重歯と犬歯の明確な違いを理解することで、あなたが気にしているのが「八重歯」なのか「犬歯」なのかがわかりますね。

八重歯は不正咬合の症状の一部で、とくに犬歯の八重歯は噛み合わせやお口の健康にも深く関与しています。

早めに矯正歯科で相談して適切な治療を受けることが大切です。

DDデンタルクリニックグループは、八重歯のお悩みを気軽に相談できる初回検診を無料で行っています。(※)

症状だけでなく、理想の口元のイメージやご希望に合わせて、さまざまな矯正メニューの中からぴったりな治療法を見つけられますよ。

全国にクリニックを構えているので、「治したほうがいいのかどうかわからない」「八重歯を治すとどんなふうに変わるの?」とお考えの方は、ぜひ一度、最寄りのクリニックへお越しください!

あなたのキレイな口元と健康のために、まずは最初の一歩を踏み出してみませんか?

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※本記事は2025年7月時点での公式情報を元に編集したものです。最新の情報とは異なる可能性がありますので、ご注意ください。

【この記事の監修歯科医師】
重永基樹 先生
【この記事の監修歯科医師】
重永基樹 先生
1999年愛知学院大学歯学部卒業。
1999年より都内矯正認定医のクリニックに勤務し、矯正とインプラントを中心に臨床に従事。
2002年都内新宿区にて開業、様々な矯正治療を取り入れマウスピース矯正も20年以上実践。
その後都内に4医院、九州に1医院を展開。
2023年より全国16医院の矯正歯科クリニックの総合監修、指導を行う。

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