出っ歯じゃないのに口が出てる気がする…原因は?治し方や目安費用も!

口ゴボ・Eライン

「出っ歯じゃないのに口が出てる気がする」と思ったり、SNSに載ったきれいな横顔の写真を見てコンプレックスが強くなったり。

口元が出ているいわゆる「口ゴボ」は、一度気になりだすと止まらない悩みですよね。

とはいえ、出っ歯じゃないとなると、治し方や相談先も分からない人が多いのではないでしょうか?

今回の記事を通して、まずは口ゴボになってしまう原因、そして改善策をお伝えします。

今はまだどうすべきか判断がつかないかもしれませんが、「治せるかもしれない」と分かれば、自分がどうしていきたいのかが、きっと見えてきますよ。

どうして出っ歯じゃないのに口が出て見えるの?

とくに横から見たときに口が出ている状態は「口ゴボ(くちごぼ)」と呼ばれています。全体の歯並びがきれいなのに、口ゴボに見えることも。

口ゴボは横顔美人の基準とされる、鼻・顎・口元が直線状につながる理想的な「Eライン」にならず、コンプレックスに感じやすい身体的な特徴です。

口ゴボには、大きく分けて3つの原因が考えられます。

  • 歯の向きや大きさ
  • 口周りの軟組織による影響
  • 骨格的な問題

まずは3つの「口ゴボの原因」について、見ていきましょう。

①歯の向きや大きさが原因

自分では「出っ歯じゃない」と思っていても、じつは歯が原因で口が出ている可能性があります。出っ歯というと、上の前歯が出ている状態(上顎前突)をイメージしますよね。

しかし出っ歯には、上下両方の前歯が出ているケース(上下顎前突)もあるのです。この場合、下の歯とのずれが軽微なので、そもそも出っ歯と認識しにくい特徴があります。

また、出っ歯じゃないのに口が出ている状態には、「歯の大きさ」が関係していることも。前歯の大きさは、女性だと横幅で8.5㎜が平均とされていますが、9.0㎜以上の横幅がある場合、歯の大きさに対して顎が小さくバランスが取れず、口元が出ているように見える可能性があります。

このように歯の向き・大きさが原因の場合には、基本的には矯正歯科治療が可能です。

上下両方の前歯が出てしまうのは、遺伝によるケース、もしくは幼少期からの「バクシネーターメカニズム」が崩れてしまっていることが考えられます。

バクシネーターメカニズムとは

歯列や噛み合わせには、口周りの筋肉が影響しています。それをバクシネーターメカニズム(頬筋機能機構)と呼びます。

  • 唇や頬などの筋肉による「外側からの圧力」
  • 舌による「内側からの圧力」

この2つの圧力バランスが取れたところに、歯列が位置する仕組みです。バランスが崩れると歯列にも影響し、バランスが良ければ歯並びがきれいになります。

そして幼少期に指しゃぶりや舌で歯を押したり、口周りの筋肉が弱く口呼吸になってしまったりなどの癖があると、圧力バランスが崩れやすくなります。そうすると、顎の骨の発達にまで影響し、歯が前に出てしまうケースがあるのです。

口周りの筋肉が十分に使われず衰えてしまうことによって、口が出っ張って見えることも。これは次の「口周りの軟組織による影響」にもつながりますので、くわしく見ていきましょう。

②口周りの軟組織による影響

軟組織とは、皮膚や筋肉のことです。つまり、唇の厚みや下あごの皮膚が薄いなどの特徴から、出っ歯じゃないのに口が出ているように見えることがあります。遺伝的なケースもありますが、口呼吸などで口周りの筋肉が正しく使われていなかったことが影響している可能性も。

そのため、「口ゴボはマッサージをして自力で治す」という情報もあるようです。しかしマッサージやトレーニングで改善される可能性は、ほぼ期待できません。

この場合の口ゴボは、矯正歯科治療で改善できるケースもあれば、美容整形など外科的治療が必要になることもあります。例えば「唇が分厚い」ケースでは、前歯を後ろに下げる矯正歯科治療で口ゴボが改善することもありますが、「あごの軟組織が薄く、下あごラインがぼんやりしている」場合には、矯正歯科治療だけでの改善は難しくなるため、外科的な治療を併用することがあります。

③骨格的な問題

出っ歯じゃないのに口が出ているのは、歯や皮膚ではなく「骨格」が原因の可能性もあります。

  • 生まれつき顎が前の方に出ている(遺伝的な骨格)
  • 幼少期の癖などによるバクシネーターメカニズムのバランスの崩れ

バクシネーターメカニズムは、「幼少期にやわらかいものばかり食べていた」「顎を十分に使えていなかった」なども影響し、仕組みについては先ほど解説したとおりです。

骨格的な問題が原因の口ゴボは、矯正歯科治療で改善する可能性もあれば、外科的治療が必要なケースもあります。

出っ歯じゃない口ゴボの治し方とは?費用の目安も紹介

つづいては「治し方」に進みましょう。気になる費用の目安も紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

歯列矯正

歯の向きや大きさなど「歯」に原因がある口ゴボは、歯列矯正で改善できる可能性があります。また、骨格・軟組織などが原因の口ゴボでも、ケースによっては歯列矯正で改善できることも。自己診断で「無理」と判断せず、まずは歯科医師に診てもらいましょう。

主な歯列矯正は以下3種類。

  • ワイヤー矯正
  • 裏側矯正
  • マウスピース矯正

それぞれの歯列矯正には、奥歯まで含めた全体の歯並びをきれいにする「全顎(ぜんがく)矯正」と、前歯の一部分のみの歯並びに対応する「部分矯正」があります。

症状の重さによって、全顎矯正か、もしくは部分矯正で対応できるのかが変わります。

歯列矯正の種類については、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正では「ブラケット」と呼ばれる装置にワイヤーを通します。ワイヤーの引っ張る力を利用して、歯を少しずつ動かしていく仕組みです。

<費用目安>

全顎矯正およそ50万円~90万円
部分矯正およそ15万円~60万円
2022年 運営調べ

<メリット>

  • さまざまな症例に対応できる
  • 取り外しの手間がない
  • 手作業で細かい調整ができる
  • 3mm以上の歯の移動も可能(口元を大きく変えられる)

<デメリット>

  • マウスピース矯正と比較して痛みを感じやすい※個人差があります
  • マウスピース矯正と比較して口内炎ができやすい
  • 矯正中の装置がめだちやすい
  • 歯みがきがしにくい
  • 装置が外れるとつけ直しに来院が必要

裏側矯正

仕組みそのものは、先に紹介したワイヤー矯正と同じです。矯正装置を歯の裏側に装着するため目立ちにくく、接客業や矯正中の見た目が気になる方におすすめできますが、他の歯列矯正方法と比べてやや高額になります。

<費用目安>

全顎矯正およそ90万~140万円
部分矯正およそ30~70万円
2022年 運営調べ

<メリット>

  • 装着している器具が見えにくい
  • 歯表面のエナメル質が傷つきにくい

<デメリット>

  • クリニックによっては、ワイヤー矯正(表側)と比べて時間がかかることがある
  • 他の矯正方法と比べて費用が高くなりがち

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、採取した歯型をもとにオーダーメイドで作られるマウスピースを装着します。一週間に約0.25mm~0.35mm程しか動かない小さな力で、少しずつ歯を動かしていく仕組みです。症例によっては対応できないケースもありますが、目立ちにくさや痛みの感じにくさなどから、始めやすい歯列矯正方法と言えるでしょう。※痛みには個人差があります。

<費用目安>

全顎矯正およそ40万~100万円
部分矯正およそ20~45万円
2022年 運営調べ

<メリット>

  • 治療中の歯の動き、治療後の状態などが3D映像で確認できることも
  • ワイヤー矯正と比べて痛みを感じにくい ※痛みには個人差があります
  • 取り外し可能で歯みがきがしやすい※ブランドにより決められた装着時間を守る必要があります
  • 硬い物も食べられるなど日常生活への影響が少ない

<デメリット>

  • 装着時間などのルールを守らないと計画どおりに歯が動かない
  • 適応できない症例がある

前歯だけの矯正で治せる?

「口ゴボだけど出っ歯ではないし……」「全体的な歯並びはきれいな方だと思う」という方にとって、全顎矯正は大げさなイメージがあるかもしれません。たしかに、口元が前に出ているのだから、なんとなく前歯部分だけの矯正歯科治療で治せそうな気がしてしまいますよね。

しかし口ゴボの原因が前歯にあったとしても、必ずしも「前歯だけの歯列矯正で治せる」わけではありません。実際には、歯がきれいに並ぶスペースを確保するための抜歯や、歯全体を後方に移動させるなどの処置が必要になることが多いです。

軽度の症状であれば、前歯のみの部分矯正で治せることもありますが、多くの場合は全顎矯正が必要になります。

外科的な治療

骨格に問題がある口ゴボの場合には、歯列矯正だけで治すのは難しいことが多いです。外科手術とあわせて行う治療が必要となり、顎の一部を切る外科矯正でかかる費用は、自費で100万円以上、場合によっては200万円ほどかかるケースもあります。

また、軟組織が影響している口ゴボの場合には、美容外科に相談が必要なことも。

自力で治すことは可能?

口ゴボを自力で治すことは、ほぼできません。一方で、表情筋のトレーニングや口呼吸の改善などで「口ゴボの悪化」は防げます。

MFT(口腔筋機能療法)と呼ばれる、歯並びに影響している舌・唇・頬などの口まわりの筋肉を鍛えるトレーニングもあります。指導を行っている歯科医院も多くありますので、ぜひ相談してみてくださいね。

また、まだ永久歯が生えそろっていない子どもであれば、トレーニングによって口ゴボの改善ができる可能性があります。

口元の出っ張りが気になるときの相談先は矯正歯科でOK!

「口ゴボをどうにかしたい……」と悩んでいた方は、具体的な選択肢が見えてきたのではないでしょうか?とはいえ、「どの矯正方法が適応可能なのか、まだ判断がつかない」などのモヤモヤも残っているはず。

歯列矯正の初回検診では、歯型スキャンやレントゲン撮影などを行います。あなたが口ゴボになっている原因、歯列矯正で治せるのか、費用はどれくらいかかるのか……などがまとめて分かります!

「まだ歯列矯正するとも決めていないから」と躊躇してしまいがちですが、検診だけでもまったく問題ありません。DDデンタルクリニックでも、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などさまざまな治療方法をご提案しています。

まずは気軽に初回検診を受け、あなたにとっての具体的な選択肢を知ることから始めてみてくださいね。

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