インビザラインの治療期間はどれくらい?平均や短縮するポイントを解説

インビザラインのマウスピース
インビザライン

マウスピース矯正「インビザライン」の治療期間は、症状により数ヶ月から数年と大きな幅があります。

この記事では、当DDデンタルクリニックグループで治療ができるインビザラインの平均的な治療期間の目安を、具体的な症状や治療範囲を交えて紹介します。

また、インビザラインの治療期間を短縮するポイントや治療期間を長引かせてしまう可能性がある注意点も解説します。

インビザラインの平均的な治療期間は6ヶ月〜3年程度

インビザラインのアライナー
出典:インビザライン公式サイト

インビザライン矯正の平均的な治療期間は6ヶ月〜3年程度です。(2022年・2023年、編集部調べ)

この治療期間の幅は、歯並びの症状や治療範囲(部分矯正か全体矯正か)、個人の歯の動きやすさによって大きく左右されるからです。

治療期間が人によって異なる具体的な理由を詳しく解説します。

インビザラインの治療期間は種類や症状の違いにより異なる

インビザラインは、部分矯正から全顎矯正まで幅広い症例に対応でき、症例に応じて使用するマウスピースの枚数や治療範囲が異なるため、治療期間には個人差がでます。

一例として、患者様が多いライト〜コンプリヘンシブでの全顎矯正の場合、平均的な治療期間は7ヶ月〜2年程度です。

具体的なパッケージごとの治療期間の目安は、次の画像でご確認ください。

インビザラインで使用するマウスピースの枚数と治療期間の関係を一覧表で解説

パッケージごとの治療範囲や症状とともに、具体的な治療期間の目安を一覧表で見ていきます。

インビザラインの治療期間の目安

インビザラインでは、約1週間ごとに新しいマウスピース(アライナー)に交換しながら歯並びを整えていきます。

そのため何枚ものマウスピースが必要になりますが、パッケージごとにマウスピースの上限枚数が決められています。

たとえば、中程度の不正咬合に適応するモデレートのマウスピースは最大26枚治療期間の目安は約26週間=半年程度ということがわかります。

また、治療の途中で気になる箇所が出た場合には、マウスピースを追加することもあります。

モデレートは、追加料金なしで最大3回まで追加できるので、26枚×3回で78枚。その場合の治療期間は最長で約1年半が目安となります。

インビザラインの治療期間が長引く可能性があるケース

洗面台に置かれたインビザラインのマウスピース

インビザラインの治療では、次に挙げるような場合は、治療期間が長引いてしまうかもしれません。

インビザラインの治療期間は、患者様の歯や顎の状態に合わせた計画により設定されます。

治療期間はあくまでも目安で、当初想定していた期間よりも長くなるケースがあります。

抜歯が必要となる場合

抜歯をする必要がある症状の場合、抜歯して確保したスペースの分だけ歯を動かす距離が伸びるため、治療期間も長くなることが多くなります。

抜歯を必要とするのは、歯の大きさに対して顎が小さい・歯並びのがたつきが大きいなど、現在ある歯すべてをきれいに並べると、スペースが足りない場合です。

重度の不正咬合の場合

不正咬合の症状が重度な場合、抜歯をしたうえで歯を並べるスペースを確保し、全体を大きく動かして歯並びを整える必要があり、治療期間が長引きやすいです。

また症状によっては、インビザラインだけで歯を理想的に動かすのが難しい場合があり、他の治療法や装置を併用するケースもあります。

たとえば、部分的にワイヤー矯正を組み合わせたり、歯を動かしやすくするための補助装置(顎間ゴム・アンカースクリュー・IPRなど)を使用することがあります

虫歯や歯周病など口内トラブルが起きた場合

インビザラインの治療中にむし歯や歯周病が見つった場合、症状によっては矯正治療を中断してむし歯などの治療を優先して行います。

矯正治療を再開するまでの時間もかかりますが、治療のための詰め物や抜歯により歯の形が変わってマウスピースが合わなくなることも。

型採りからやり直すことになれば、さらに治療期間が長引く要因になります。

指示された装着時間を守れなかった場合

歯科医師から指示されたマウスピースの装着時間を守っていないと、計画通りに歯が動かず治療期間が長引きます。

歯を動かすための矯正力がかかるのは、マウスピースを装着している間だけです。

着け忘れるなどして外している時間が長いほど、治療期間も延びると考えましょう。

紛失や破損などによりマウスピースの再作製が必要となった場合

マウスピースを紛失してしまったら、再度新しいマウスピースを作製する必要があります。

また、破損の場合も同様です。

再作製したマウスピースが手元に届くまでには時間がかかります。

マウスピースは破損しないようていねいに扱い、外したらマウスピースケースに収納する習慣をつけましょう。

治療計画を修正した場合

当初の治療計画と実際の歯の動きに誤差が生じた場合には、マウスピースを追加作製して計画を修正するリファインメントを行うことがあります。

リファインメントを行った場合、使用するマウスピースの枚数が増えるため、その分治療期間も長くなります。

インビザラインの治療期間を短縮する6つのポイント

インビザラインの治療期間は、装着時間やセルフケアの習慣など、日々の行動によって短縮できる可能性があります

歯並びや症状そのものは変えられませんが、ちょっとした意識と工夫でスムーズに治療を進めることは可能です。

ここからは、インビザラインの治療期間を長引かせないためのポイントを紹介します。

ぜひ取り入れて、理想の歯並びを少しでも早く手に入れましょう。

装着時間をきちんと守る

治療を長引かせないためにいちばん大切なのは、マウスピースの装着時間を守ることです。

インビザラインでは、1日20時間以上~のマウスピース装着を推奨しています。

インビザラインの種類によっては推奨される装着時間が異なる場合もありますが、担当の歯科医師に指定された装着時間をしっかり守ることが重要です。

「ちょっとくらい外したままでもいいかな」「1日くらい忘れても大丈夫だよね」など、外している時間が増えるとせっかく動いた歯が元の位置に戻ろうとしてしまいます。

きちんと自己管理をして、指示された装着時間を守りましょう。

「長すぎて装着する自信がない、時間を守れないかも…」と不安な方は、インビザラインの装着時間についての記事を参考にしてください。

マウスピースの交換期間を守る

歯科医師から指示されたマウスピースの交換期間を守ることも大切です。

インビザラインのマウスピースは、治療の段階に合わせて新しいものに交換していきます。

事前に数ヶ月分のマウスピースを受け取るため、ご自身での交換が必要です。

交換を忘れて同じものを装着し続ければ、計画よりも歯の動きが遅くなります。

交換期間を守って忘れずに交換してください。

マウスピースをいつも清潔にしておく

インビザラインのマウスピース

マウスピースの清潔を保つことも、治療期間を延ばさないためのポイントです。

マウスピースを清潔にしておかないと、むし歯や歯周病などのリスクが高まります。

虫歯治療のために矯正を中断することになれば、予定よりも矯正治療の期間が延びるかもしれません。

食事はもちろんのこと、水以外の飲み物を飲む際にはマウスピースを外しましょう。

また、マウスピースを再装着するときには、柔らかい歯ブラシなどでマウスピースを水洗いしてから装着してくださいね。

口内ケアをしっかりと行う

矯正治療中は、口内ケアも念入りに行いましょう。

マウスピースを装着していると唾液が循環しにくく、お口の中の自浄作用が働きにくくなります。

自浄作用が低下すると口内トラブルにつながりやすく、むし歯同様に矯正が中断し、治療期間が延びる可能性があるため注意が必要です。

このため、飲食した後は

  • 歯ブラシ
  • ワンタフトブラシ
  • デンタルフロス

などを使用し、ていねいな口内ケアでむし歯や歯周病などの口内トラブルを防ぐように心がけましょう。

アライナーチューイーを活用する

アライナチューイー

マウスピースをご自身の歯にしっかり密着させて装着することも、治療期間を長引かせないための重要なポイントです。

マウスピースは慣れてくるとサッと装着できるようになりますが、実はわずかにズレたり浮いたりしていることも。

計画通りに歯を動かすためにも、マウスピースを歯にしっかり密着させる「アライナチューイー」を活用するのがおすすめです。

アライナーチューイーは、シリコン製の小さなチューブ。

マウスピースを装着してから、上下の前歯から奥歯までしっかり噛みしめていくと、マウスピースがしっかり歯に密着します。

定期的に歯科クリニックを受診する

治療経過を確認してもらうため、定期的な歯科医院の受診も必要です。

計画通り歯が動いているかだけでなく、むし歯などの口内トラブルが起きていないかなどを歯科医師にチェックしてもらうことで、治療期間が長引くのを防げます。

痛みや変わったことがなかったとしても、指定された日時には必ず歯科医院を受診しましょう。

インビザラインの治療期間には個人差があることを理解しておこう

見つめ合う女性2人

インビザラインの平均的な治療期間は6ヶ月〜3年程度です。

※2023年、自社調べ

6ヶ月といえばすぐ目の前ですが、3年ともなればゴールが見えず不安になる方も多いですよね。

でも、治療期間の幅が広い理由は、インビザラインが対応できる症状や治療範囲が広いから。

気になる前歯1本を整える部分矯正から咬み合わせを含めた全顎矯正まで、さまざまな歯並びの悩みをカバーします。

インビザラインのマウスピース

また、治療期間はスタートするときに想定していたものよりも長引くケースもあります。

抜歯が必要な重度の不正咬合や口内トラブルをはじめとした自分ではどうにもできないことだけでなく、マウスピースの紛失や装着時間を守れなかったなど自己管理に失敗することで長引かせてしまうこともあるのです。

当初の計画通り、治療期間を長引かせないために気をつけたいポイントを、ここでもう一度チェックしておきましょう。

普段からのちょっとした心がけで、治療期間を長引かせずに終えられる可能性が広がります。

ぜひ、毎日の習慣として取り入れてみてくださいね。

この記事内で解説した治療期間はあくまでも目安であり、実際には患者様ごとの歯並びや歯の動き方・開始年齢などによって個人差があります。

もっと早く治療が終わることもあれば、さらに長い期間を要するケースもあるかもしれません。

「自分だったらどのくらいの治療期間なんだろう?」

と思っている方は、まずは初回検診で気軽に相談してみてください。

あなたにぴったりな治療方法やその期間を知ることができますよ。

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※本記事は2025年11月時点での公式情報を元に編集しました

【この記事の監修歯科医師】
重永基樹 先生
【この記事の監修歯科医師】
重永基樹 先生
1999年愛知学院大学歯学部卒業。
1999年より都内矯正認定医のクリニックに勤務し、矯正とインプラントを中心に臨床に従事。
2002年都内新宿区にて開業、様々な矯正治療を取り入れマウスピース矯正も20年以上実践。
その後都内に4医院、九州に1医院を展開。
2023年より全国16医院の矯正歯科クリニックの総合監修、指導を行う。

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