インビザラインって痛い?耐えられる?痛みの原因と対処法
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目次
「インビザラインって痛いのかな?」と気になっていませんか?
SNSを見ると、時々「痛い」という口コミを見かけますよね。
一方で、順調に治療が進んで満足しているという意見も少なくないので、「実際のところ、痛いの?痛くないの?」と悩んでしまうかもしれません。
結論からいうと、インビザラインで我慢できないほどの痛みを感じることはほとんどありません。
なぜなら、インビザラインのマウスピースは、コンピューターによるシミュレーションに基づいて少しずつ歯を移動させるように設計されているからです。
歯に一度に大きな負担がかかりにくいため、痛みを感じにくいのです。
ただし、痛みがまったくないわけではありません。
治療の経過で感じやすい痛みもあれば、放置すると再治療が必要になってしまうトラブルの前兆となる痛みもあります。
この記事では、インビザラインで起こり得る
- 痛みの程度
- 痛みを感じる原因
- 痛みを感じた時の対処法
などについて、インビザラインの「レッドダイヤモンドプロバイダー」を取得した歯科医師が在籍するDDデンタルクリニックがわかりやすく解説します!
※痛みの感じ方には個人差があります。
※インビザラインのレッドダイヤモンドプロバイダーとは、インビザラインの年間の総症例数が1,000件以上の歯科医師にのみ与えられるステータスです。
インビザラインってどれくらい痛いの?いつまで続く?
多くの方が気になっているのが
- 「どのぐらい痛いのか」
- 「いつまで痛いのか」
ということではないでしょうか。
痛みの感じ方には個人差がありますが、ここでは、一般的なインビザラインの痛みの目安をお伝えします。
痛みのレベルは違和感~圧迫感程度のことが多い
インビザラインの痛みの程度は、「違和感がある」「圧迫されるような感じ」と表現されることが多いです。
もちろん、痛みの感じ方は人によって異なりますが、痛みが強くて眠れない、といったことはほとんどないと思っていいでしょう。
違和感や圧迫感を覚える主な理由は、矯正装置であるマウスピースによって歯が動いているためと考えられます。
歯列矯正の基本的なしくみは、ワイヤー矯正もマウスピース矯正も、装置によって歯に力をかけて移動させるという点では同じです。
顎の骨にしっかりと埋まっている歯に力をかけて移動させようとするため、多少の痛みを伴うのは自然なことなのです。
つまり、矯正中にこのような痛みを感じるということは、歯が動いている証拠ともいえるのです。
痛みのピークは2~3日!1週間程度で落ち着く
歯が動くことによる痛みを感じやすいのは、新しいマウスピースを装着した最初の2~3日です。
インビザラインのマウスピースは、少し歯が動いたら、また次の目標とするところまで歯を動かすため、約1週間ごとに新しいマウスピースに交換します。
新しいマウスピースに交換した直後は、まだ歯列とマウスピースがなじんでおらず、マウスピースと歯列の間にわずかなズレがあるため、違和感や痛みを感じやすいのです。
個人差は大きいものの、このような痛みは、新しいマウスピースを装着して2~3日目がピークです。
1週間程度でほとんどの方は落ち着いてくるので、それほど心配しなくてもよいでしょう。
ワイヤー矯正に比べると痛みは抑えめ
痛みを厳密に比較することは難しいのですが、インビザラインはワイヤー矯正より痛みを感じにくい歯列矯正です。
さきほど解説した通り、矯正中に痛みが生じるのは、多くの場合、歯が動いているためです。
歯を大きく動かそうとするとそのぶん歯に強い力がかかってしまうので、痛みも強く感じやすくなりますが、インビザラインでは、1つのマウスピースで歯が移動する距離を最大でも0.25mmに設定しています。
3D光学スキャナーなどを用いて歯が動く過程を精密にシミュレーションし、無理がない範囲で歯を少しずつ動かせるため、痛みを抑えやすいんですよ。
また、マウスピース矯正の装置は、口腔内を傷つける可能性がある金属などが使われていないのも魅力です。
ワイヤー矯正では、歯の表面に「ブラケット」という小さな金具を装着し、そこに金属のワイヤーを通すため、頬や舌などに装置があたって口の中の粘膜を傷つけてしまうリスクがあります。
インビザラインのマウスピースにはそのようなゴツゴツした金具がないことも、痛みを抑えた治療を可能にした理由のひとつです。
どんなときに痛い?インビザラインが引き起こす痛みの原因
インビザラインは痛みを感じにくい矯正歯科治療です。
しかし、まったく痛みがないわけではありません。
ここでは、どのようなときに痛みを感じやすいのか、痛みの原因とともに見ていきましょう。
- はじめてのアライナー装着で違和感・締め付け感があったため
- 新しいアライナー交換後に再度歯が動きはじめるから
- 後戻りがあると歯に強い圧力がかかって痛みが出ることも
- アライナーやアタッチメントで口内が傷ついたから
- 顎間ゴムで矯正力をかけるから
- 抜歯した部分が痛むことがあるから
- 歯のスペースを確保するためIPRで歯を削ったから
はじめてのアライナー装着で違和感・締め付け感があったため
痛みの感じ方や程度には個人差がありますが、多くの方が、初めてマウスピース(アライナー)を装着したときに違和感や締め付け感を覚えるようです。
これには、歯列矯正で歯が動くしくみが関係しています。
インビザラインで歯が動くしくみ
マウスピースを装着すると、マウスピースの矯正力によって歯を動かそうとする方向に力がかかります。
歯列矯正で歯が動くというのは、歯そのものが単純に移動しているわけではありません。
歯に矯正力がかかると、歯根の周りにある「歯根膜」が伸び縮みします。
歯根膜は一定の厚みを保とうとする性質があるため、縮んだ側の歯根膜では、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かして厚みを広げます。
伸びた側の歯根膜では、骨を新たに作って厚みを縮めます。
この結果、骨が溶けたぶんだけ歯が移動していくのです。
骨が溶けるときには、痛みの原因物質が作られるとともに炎症が起こって痛みを生じます。
そのため、歯が動くときには痛みを感じやすいのです。
とくに初めてマウスピースを装着するときは、矯正装置によって歯に力がかかるという経験も初めてです。
初めての感覚なので、違和感や締め付け感を覚えやすいといえるでしょう。
初めてマウスピースを装着した時に軽い痛みを感じても、まずはマウスピースに慣れる期間だと思って、少しずつ矯正生活に慣れていきましょう。
新しいアライナー交換後に再度歯が動きはじめるから
インビザラインのマウスピースは、定期的に新しいものに交換します。
なぜなら、1つのマウスピースで歯を大きく動かすことはできないからです。
マウスピース矯正では、少し歯が移動した未来の歯列に合わせたマウスピースを順番に装着していきます。
計画したところまで歯が動いたら、また次の目標とするところまで歯を移動させるためのマウスピースに交換します。
これを繰り返して患者様の理想の歯列をめざすので、新しいマウスピースに交換した後の最初の数日は、歯列とマウスピースの間にわずかなズレがあるため、違和感や痛みなどを感じやすいのです。
後戻りがあると歯に強い圧力がかかって痛みが出ることも
インビザラインのマウスピースは、1日20時間以上の装着が必要です。
※クリニックや歯科医師の方針により多少異なります。
食事と歯みがきの時はマウスピースを外しますが、それ以外は睡眠中もマウスピ―スを装着したまま過ごします。
この決められた装着時間を守らないと、歯科医師が計画した通りに歯が動かなくなってしまうばかりか、せっかく動いた歯がもとの位置に戻ってしまう「後戻り」が起こる可能性があります。
たとえば、
- 歯みがきの後に装着するのを忘れる
- 違和感が気になるからと長時間外して過ごす
すると、動き始めていた歯が後戻りして、マウスピースと歯列の間にズレを生じてしまうケースがあります。
するとマウスピースを再装着したときに歯に余分な強い力がかかるので、痛みを感じてしまうことがあるのです。
アライナーやアタッチメントで口内が傷ついたから
インビザラインのマウスピース(アライナー)は、ワイヤー矯正のような金具や尖ったパーツがないため、比較的口の中を傷つけにくい矯正装置です。
しかし、マウスピースそのものが原因ではなく、もともと口の中に傷や口内炎などがある場合、そこにマウスピースの縁などが当たって痛みを感じることがあります。
また、マウスピースの装着に慣れていないうちは、マウスピースの着け外しのときに、うっかり口の中の粘膜を傷つけてしまう可能性があります。
このほか、「アタッチメント」を装着している場合も注意が必要です。
アタッチメントとは、マウスピース矯正で用いる歯の表面に取り付ける小さな突起物のことです。
歯にかかる力を調整して矯正力を高めるために使用されるものですが、マウスピースを外している間に口の中の粘膜に当たって痛みの原因となるケースがみられます。
このような場合は、歯科クリニックで矯正用ワックスを使っての処置が可能なので、痛みがつらい場合は、通院中のクリニックに相談してください。
顎間ゴムで矯正力をかけるから
「顎間(がっかん)ゴム」とは、上下の歯やマウスピースにゴムをかけて、ゴムの伸縮力を利用してより効率的に歯列矯正を進めることを目的とした、マウスピース矯正と併用して行う治療のひとつです。
顎間ゴムにはさまざまな種類の太さや大きさがあり、使用するゴムの種類やかける位置などは口腔内や歯列の状態によって選ばれます。
顎間ゴム自体にも歯を動かす力があるため、装着し始めた最初の数日は痛みを感じることがありますが、しだいに痛みが気にならなくなってくることがほとんどです。
抜歯した部分が痛むことがあるから
歯列が並ぶスペースが足りない場合や、生まれつき歯が大きく歯列をきれいに並べることが難しいと判断された場合などは、抜歯をしてスペースを作ることがあります。
抜歯をすると歯の周囲の組織にもダメージが及ぶため、痛みや腫れなどを伴うケースも少なくありませんが、抜歯後の傷が回復するにしたがって痛みも薄らいでいきます。
歯のスペースを確保するためIPRで歯を削ったから
IPRとは、歯の側面(歯と歯の間)を薄く削って、歯を動かすスペースを作る歯列矯正の追加治療のことです。
削るのは歯の表面のエナメル質に限られるため、通常は痛みを感じることはほとんどないと考えられていますが、もともとエナメル質が薄い方などは、知覚過敏のような症状を感じることがあります。
また、歯を削る時に発生する熱や摩擦で、わずかな痛みを感じるケースもあります。
もしインビザラインで眠れないほど痛くなったら?どんな対処法がある?
「もし私もインビザラインで痛みを感じたらどうしよう?」と不安になっていませんか?
歯列矯正中の痛みには、さまざまな対処法があります。
これからインビザラインを始めたい方も、現在インビザラインで治療中の方も、痛みが気になったらぜひ次の方法を試してみてください。
- やわらかい食事で歯への負担を軽減する
- 1つ前に使っていたアライナーに戻す
- アライナーが口内で強く当たる部分を削ってもらう
- 矯正用ワックスでアタッチメントの痛みをカバーする
- 鎮痛剤を服用する
- 場合によっては治療計画を変更することも
やわらかい食事で歯への負担を軽減する
初めてマウスピースを装着したときや、新しいマウスピースに交換したばかりのときは、とくに痛みを感じやすい時期です。
硬い食べ物を噛むと、さらに歯への負担が大きくなって痛みを生じてしまう可能性があるため、なるべく歯に負担がかかりにくい、やわらかい食べ物を摂るようにするとよいでしょう。
もしものときのおすすめ食事メニュー
痛みがあるときは、次のような食事がおすすめです。
- やわらかく煮込んだ野菜スープ
- 豆腐
- 蒸し野菜(さつまいもやかぼちゃなど)
- 魚の蒸し焼き、やわらかいフルーツ(バナナ) など
また、痛みが強く、噛むことが難しい場合は、噛まなくても食べられる次のようなものがおすすめです。
- フルーツのスムージー
- おかゆ
- ポタージュ など
このほかにも、食材をやわらかく煮込んだり、材料を小さく切ったりすることで、食べやすくなります。
ぜひひと工夫して、無理なく食事を摂ってくださいね。
1つ前に使っていたアライナーに戻す
新しいマウスピースに交換したときに強い痛みを感じるようであれば、いったん1つ前のマウスピースに戻すという方法もあります。
とくに
- 決められた時間より装着時間が短くなってしまった
- 短期間で新しいマウスピースに移行した
という場合は、計画通りに歯がじゅうぶんに動いていない可能性があります。
まずは1つ前のマウスピースに戻して様子を見て、数日後に再度新しいマウスピースを装着することで、スムーズに治療を継続しやすくなります。
ただし、これはあくまで一時的な対策方法です。
前のマウスピースに戻すことで治療計画に影響が出てしまう可能性や、痛みの原因が他にある可能性などもあるため、1つ前のマウスピースに戻す場合は、かならず事前に歯科医師に相談してからにしてください。
アライナーが口内で強く当たる部分を削ってもらう
インビザラインのマウスピースは、独自のテクノロジーによって一人ひとりの歯列に合わせて精巧に製作されます。
しかし、まれにマウスピースが口腔内や歯列に合っていなかったり、使用するうちにマウスピースが変形してしまったりするケースもあります。
そのような場合は、口内に当たっている部分をヤスリなどで削って調整すると、装着しやすくなります。
マウスピース自体に不具合があると思われる場合は、通院中の歯科クリニックに相談し、調整してもらうとよいでしょう。
矯正用ワックスでアタッチメントの痛みをカバーする
矯正用ワックスとは、歯列矯正のマウスピースやアタッチメントに取り付けて口腔内を保護するためのシリコンやペーストのことです。
本来、矯正用マウスピースが口腔内を刺激することは少ないですが、矯正力をサポートするアタッチメントを歯に取り付けた場合、アタッチメントが口内に当たって痛みを生じたり、傷や口内炎ができたりすることがあります。
矯正用ワックスを使えば、痛みの原因となっている部分をカバーして痛みを緩和できるので、アタッチメントのこすれによる痛みが気になったら、通院中の歯科クリニックに相談して処方してもらいましょう。
鎮痛剤を服用する
我慢できないほど痛みが強い場合や、痛みが長時間続く場合は、鎮痛剤を服用するという選択肢もあります。
鎮痛剤にはさまざまな種類があり、ドラッグストアなどでも手軽に入手できますが、薬の成分によっては歯列矯正に影響があるものもあります。
そのため、矯正中に自己判断で鎮痛剤を購入したり、自宅にあるものを飲んだりするのはおすすめできません。
鎮痛剤を使いたい場合は、歯科クリニックで処方してもらうか、市販の薬でも問題ないか歯科医師に相談するとよいでしょう。
場合によっては治療計画を変更することも
基本的に、インビザラインで我慢できないほどの強い痛みを生じることはほとんどありません。
多少の痛みを感じても、多くの場合は2~3日をピークに落ち着いてきます。
もし我慢できないほど痛みが強かったり、痛みが長期間続いたりするようであれば、治療の過程でなんらかのトラブルが発生している可能性が考えられます。
その場合は、いったん治療を中断して新たに治療計画を立て直すことになるケースもあるので、痛みがひどかったり長く続いたりするようなら、早めに通院中のクリニックに相談しましょう。
DDデンタルクリニックのサポート体制
- LINEやメールで気軽に相談ができる
- 予約日以外でも急な強い痛みなどはいつでもご連絡・ご相談OK
DDデンタルクリニックでは、インビザラインの治療期間中に痛みが出てしまった場合も親身になって対応します。
「痛みがこわい」「痛いときに対処してもらえるのか心配」という患者様一人ひとりの心に寄り添い、安心して治療を受けられるようにサポートしていますよ。
ぜひお気軽に相談にいらしてくださいね!
インビザラインの痛みの原因を知って安心して矯正をスタートしよう!
インビザラインで、耐えられないほど強い痛みを感じることはほとんどありません。
ただし、歯を動かす過程で、違和感や軽い痛みを感じるケースはあります。
これは歯が動き始めることによる痛みであり、一時的なもの。
通常、数日から1週間程度で落ち着いてくるので、それほど心配しなくてもいいでしょう。
このほかにも痛みを感じる原因にはさまざまなものがありますが、理由がわかると安心して治療に臨めますよね。
DDデンタルクリニックでは、治療を始める前に、カウンセリングで患者様に痛みなどのリスクについてもしっかりとご説明しています。
治療を開始してからも、痛みやご不安なことがあれば、ぜひお気軽にご連絡・ご相談ください。
患者様の不安に寄り添い、少しでも快適に矯正生活を続けられるよう、痛みへの対処法や食事などについてアドバイスします。
DDデンタルクリニックには、インビザラインが独自に定めたステータスのうち、年間1,000症例以上の実績を持つドクターだけに贈られる「レッドダイヤモンドプロバイダー」を取得した歯科医師が在籍しています。
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※本記事は2024年10月時点での公式情報を元に編集したものです。最新の情報とは異なる可能性がありますので、ご注意ください。
※保険適用外の自由診療となります。